HIV感染による発疹を見分ける方法

共同執筆者 Chris M. Matsko, MD

HIV感染により起こる一般的な症状として、皮膚の発疹があります。HIVに感染してから2〜3週間で現れる初期症状という場合がほとんどですが、発疹はアレルギーや肌のトラブルなど、危険性が少ないものが原因で起こる場合もあります。感染が疑われる場合は病院でHIV検査を受け、症状に適切に対応していきましょう。[1]

パート1(全3パート):HIV発疹の症状を知る編集

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    赤く少し腫れがあり、痒みが強いか確認する 通常、HIV感染による発疹はアザやシミとなります。肌が色白の人は赤くなり、浅黒い人は濃い紫のような色になります。
    • 症状の重さは人により様々で、広範囲に及ぶひどい発疹が出ることもあれば、わずかしか出ない場合もあります。[2]
    • 抗ウイルス剤治療の影響による場合、赤い腫れのある発疹が体全体に現れます。このような発疹は「薬疹」と呼ばれます。[3]
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    発疹が肩、胸、上半身、手に現れた場合は注意 一般的にHIV感染による発疹はこれらの箇所に現れます。しかし、発疹は数週間で自然に消える傾向があるため、アレルギーやアトピー性皮膚炎によるものと勘違いされる場合があります。[4]
    • 発疹は感染しないため、発疹を通じてHIVがうつる心配はありません。[5]
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    HIV発疹に伴い発症する可能性のある症状に注意する 下記の症状が現れる可能性があります。[6]
    • 吐き気、嘔吐
    • 口内炎
    • 下痢
    • 筋肉痛
    • 痙攣、体の痛み
    • リンパ腺の腫れ
    • 視界のぼやけ、目のかすみ
    • 食欲減退
    • 関節痛
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    HIV発疹の原因を知る この発疹は、白血球(WBC)の減少により起こります。感染のどの段階でも起こり得ますが、一般的に感染後2~3週間で気付くでしょう。血液検査により感染が確認できるようになるこの段階を、セロコンバージョンと呼びます。人によってはこの段階で発疹は現れず、後の段階で出てくる場合もあります。[7]
    • HIV発疹はアンプレナビル、アバカビルなどの抗HIV薬の副作用でも現れる可能性があります。[8]
    • HIV感染の第3段階では、皮膚炎により発疹が出る場合があります。このタイプの発疹はピンク、または赤みがかった色をしており痒みを伴います。発疹は1年〜3年ほど続き、股、脇、胸、顔、背中などに現れます。
    • ヘルペスを発症しており、HIV検査で陽性反応が出た人も発疹が現れる場合があります。
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パート2(全3パート):医療処置を受ける編集

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    軽度の発疹がある場合はHIV検査を受ける HIV検査を受けていない方は、病院で血液検査を受け、ウイルスを持っているか確認する必要があります。血液検査でHIV感染が陰性だと分かれば、発疹の原因は食べ物のアレルギーやアトピー性皮膚炎など他にあると判断することができます。
    • HIV検査で陽性となった場合、病院で抗HIV薬の処方や治療を受けることになるでしょう。[9]
    • 抗HIV薬をすでに服用していて軽度の発疹が出ている場合、1〜2週間で消えるため服用を続けるように言われるでしょう。
    • 発疹、特にその痒みを軽減するため、病院でレスタミン(ジフェンヒドラミン)やアタラックス(ヒドロキシジン)、コロチコステロイド配合のクリームなどの抗ヒスタミン剤を処方される場合があります。[10]
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    重度の発疹の場合は早急に医療措置を受ける 重度の発疹は、熱、吐き気、嘔吐、筋肉痛、口内炎などその他の症状と共に現れる場合があります。HIV検査をまだ受けていない場合、血液検査を通しHIVウイルスを持っているかを検査する必要があります。血液検査の結果に基づいて抗HIV薬の処方や治療が行われることになるでしょう。[11]
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    症状の悪化、特に薬の服用後に悪化した場合は医師に相談する 服用薬に体が過敏反応し、発疹などHIVの症状が悪化する場合があります。この場合は代わりとなる薬を処方されることになるでしょう。また、過敏反応の症状は24〜48時間で消えるでしょう。[12] 発疹を引き起こす抗HIV薬として主要なものに、下記の3種類があります。[13]
    • NNRTI(非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬)
    • NRTI(核酸系逆転写酵素阻害剤)
    • PI(プロテアーゼ阻害剤)
    • ネビラピン(ビラミューン)などのNNRTIは、最も多く発疹を引き起こします。アバカビル(ザイアジェン)はNRTI 、アンプレナビル(ブローゼカプセル)やチプラナビル(日本では未承認)はPIで、共に発疹を引き起こす可能性があります。
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    アレルギー反応が出た薬は服用しない 過剰反応やアレルギーにより、医師に服用を止められた薬は服用しないようにしましょう。再度服用してしまった場合、さらに重篤なアレルギー反応が出たり、症状がさらに悪化する可能性があります。[14]
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    発疹の原因となっている可能性のある細菌感染について医師に相談する HIV感染者は、細胞の免疫異常により細菌感染しやすくなります。HIV感染者の間では膿痂疹や毛包炎、歯茎の腫れ、蜂窩織炎、膿瘍、潰瘍[15]などを引き起こす原因菌である「黄色ブドウ球菌」(MRSA) [16]がよく見られます。HIVに感染している方は、医師に「黄色ブドウ球菌」(MRSA)の検査を依頼した方が良いかもしれません。
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パート3(全3パート):自分で発疹を治療する編集

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    発疹に薬用クリームを塗布する 病院では不快感や痒みを抑える抗アレルギークリームや薬を処方してもらえる場合があります。また、これらの症状を緩和する市販の抗ヒスタミン剤クリームを購入することも可能です。商品の説明書に沿って使用しましょう。[17]
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    直射日光や冷えすぎに注意する これらはHIVによる発疹を引き起こす要因となり、症状が悪化してしまう場合もあります。[18]
    • 外出する際は日焼け止めを塗る、長袖長ズボンの服を着るなどして肌を守りましょう。
    • 外出する際はコートなどを着用し、冷えすぎに注意しましょう。
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    熱いお風呂やシャワーを避ける 熱いお湯は肌を刺激しますので、水風呂にするか、スポンジなどに水を含ませて体を拭くなどにしましょう。[19]
    • ぬるま湯の湯船やシャワーで体をこすらず軽く叩くようにするといいでしょう。入浴後はできるだけ早くココナッツオイルやアロエなどの天然成分を使用した保湿剤をつけましょう。肌の一番表の層はスポンジのような構造をしているため、保湿剤が毛穴から入ることで乾燥を予防できます。[20]
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    刺激の少ない石鹸、またはハーブ由来のボディーソープに変える 化学薬品の石鹸は肌を刺激し、乾燥や痒みを引き起こすことがあります。ドラッグストアなどで手に入るベビー石鹸やハーブ由来のボディーソープなど低刺激のものを選びましょう。[21]
    • ペトロタラム(メチル、プロピル、ブチル)やエチルパラベン、プロピレングリコールなどの化学薬品を含んだ製品の使用は避けましょう。これらの合成成分は肌を刺激したり、アレルギー反応を起こすことがあります。[22]
    • オリーブオイル、アロエベラ、アーモンドオイルなどを使用し、自分でハーブのボディーソープを作ることもできます。[23]
    • 入浴後すぐ、また1日中を通して保湿剤を使用し、肌が乾燥しないようにしましょう。
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    柔らかいコットンの服を着る 化学物質や空気を通さない素材で作られた衣服は汗をかきやすく、肌を刺激してしまうことがあります。[24]
    • ぴったりした服は肌に擦れやすいため、HIV発疹が悪化する可能性があります。
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    抗ウイルス剤の服用を継続する アレルギー反応が出ない限り、病院で処方された抗ウイルス剤を飲み続けましょう。服用し続けることでT細胞が増加し、HIV発疹のような症状を和らげます。[25]
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