豚ヒレ肉の直火焼き方法

豚のヒレ肉はいろいろな料理に使えて脂身が少なく、直火焼きにするには最適です。豚肉は乾燥しやすく、加熱すると硬くなりがちであるため、肉の水分を保つことが重要なポイントとなりますが、正しい方法に従えば肉汁を逃がすことなく調理できます。この記事では、漬け汁を使った下味の付け方や肉にさまざまなスパイスを擦り込んで丸ごと調理する方法、サンドイッチの作り方、さらには家族の食欲と心を満たす豚ヒレ肉の詰め物(ベーコン巻き)を手早く作る方法を説明します。ステップ1でさらに詳しく見ていきましょう。

4の方法1:
下ごしらえ

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    直火焼きにするには、きれいなピンク色をした新鮮な肉を購入しましょう。ヒレ肉は脂身がとても少ないために乾燥しやすく、調理方法に関らず(特に、肉の鮮度に対する不安から内部まで火を通す場合には)硬くなりがちです。信頼できる店で購入した新鮮な豚肉であれば、ミディアムに焼いてもまったく問題はありません。購入後は肉の鮮度が落ちないうちに調理すると、はるかにおいしく食べられます。
    • 灰色その他変色が見られる肉や異臭がする肉は処分しましょう。新鮮な豚肉であれば明るいピンク色をしており、際立った臭いもしないはずです。
    • 生もしくは加熱が不十分な豚肉食品にかつてよく見られた寄生虫「旋毛虫」は、現在市場に出回っている豚肉には事実上すでに存在しません。アメリカにおける旋毛虫症の報告は年間およそ11件で、そのほとんどが野生の豚から感染したものであり、店頭で購入する豚肉によるものではありません。胃に寄生するこの虫を恐れて肉が丸焦げになるまで焼く必要はありませんが、豚肉が傷みやすいのは他の肉と同じです。[1]
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    傷んでいる部分をすべて取り除いて肉の下処理を行います。豚のヒレ肉は大部分がピンク色で、結合組織や脂肪はほとんど付いていないはずです。こうした部分があれば、切り取って処分しましょう。
    • 生肉を流しで洗ってはいけません。台所に細菌を撒き散らしてしまうおそれがあります。不要な部分が肉に付いている場合は、キッチンペーパーで軽く叩いて取り除くだけで十分です。
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    焼く前に下味を付けるのもよいでしょう。豚ヒレ肉には脂身が非常に少ないため、漬け汁や擦り込みにより味をしみ込ませやすく、さまざまなスパイスを組み合わせてもしっかりと風味が付きます。好みの漬け汁で肉に下味を付けましょう。自分でスパイスを組み合わせたり、市販のスパイスミックスを使用したりするのもよいでしょう。肉をボウルに入れて覆いを掛けるか食品保存用の袋に入れて、冷蔵庫で一晩もしくは焼く前に少なくとも4時間は寝かせます。以下は、豚ヒレ肉によく合う風味の組み合わせ例です。
    • 酸味と甘味が効いたオーソドックスな漬け汁 オリーブ油(60 ml)、にんにくのみじん切り(1かけ)、マスタード、しょうゆ、黒砂糖(各大さじ1杯)を混ぜ合わせ、好みで赤唐辛子フレーク(小さじ1杯)を加えます。調味料の分量は好みで調整しましょう。これを肉に擦り込み、時々肉を裏返しながら冷蔵庫で一晩寝かせます。
    • 甘辛口の漬け汁 オレンジジュース(250 ml)、トマトペースト(大さじ1杯)、マスタード(大さじ1杯)、ガーリックパウダー、チリパウダー、グラニュー糖、パプリカパウダー、ウスターソース(各小さじ1杯)を混ぜ合わせ、刻んだコリアンダーを少々加えます。
    • 甘口の漬け汁(バーベキュー風) 糖蜜(170 ml)、黒砂糖(125 ml)、赤唐辛子フレーク、オールスパイス、塩、こしょう(各小さじ1/2杯)を混ぜ合わせ、りんご酢(大さじ2~4杯)を加えます。
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    肉は焼く前に常温に戻します。冷蔵庫で一晩漬けおいたら、肉に均等に火が通るように、焼く前に1時間ほど室内に放置して常温に戻す必要があります。内部まで冷え切った肉をグリルに乗せると、熱が均等に行き渡りません。そのため、中まで火を通そうとすると外側を焦がしやすくなります。
    • 屋外で焼く場合には、グリルに点火する前に必ず肉を冷蔵庫から出しておきましょう。肉の温度を徐々に上げる時間を確保できるため、内部まで冷え切った肉を焼かずに済みます。
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    スパイスは肉を焼く直前にまぶします。豚ヒレ肉の愛好家には、漬け汁から肉を取り出した後、焼く直前にスパイスを擦り込む調理方法を好む人もいます。スパイスの強さは、漬け込みの有無や漬け汁の種類により調整します。粉末スパイスを肉に擦り込むと外側がカラメル状になってパリッとした食感になり、肉に新たな風味を添えることができます。市販のものでも、あるいは自作のスパイスミックスでも構いません。いずれの場合もスパイスは手に少し取り、肉に絡みやすいように少量のオリーブ油を表面に塗ってから擦り込むだけです。[2]
    • 簡単な味付け 大さじ1、2杯程度のオリーブ油を肉に擦り込み、塩と挽きたてのこしょうを全体にたっぷりと振りかけましょう。
    • 乾燥スパイスを使った味付け 大さじ1、2杯程度のオリーブ油を肉に擦り込み、オレガノ、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、ガーリックパウダー、タイム(各小さじ1杯)を混ぜ合わせたものを擦り込みます。
    • 新鮮なハーブを使った味付け 大さじ1、2杯程度のオリーブ油を肉に擦り込み、フェンネルシード、マスタードシード、コリアンダーシード(各大さじ1杯)をフライパンで乾煎りします。香りが出てきたらフライパンから取り出し、すり鉢に入れてすりこ木で潰すか、包丁の側面で 押し潰します。これに赤唐辛子フレーク(小さじ1杯)と刻んだローズマリーの葉(大さじ2杯)を混ぜ入れて塩とこしょうで味を整えたら、肉に揉み込みます。
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    肉を焼く20~30分前にグリルに点火します。肉の下地ごしらえが済んだら、食べる1時間ほど前にグリルに点火しましょう。グリルの温度が適温になるまでに20~30分(ガスを使用するグリルの場合は短時間で済みます)、調理におよそ20分、寝かせておく時間として10分が必要です。食べ始める1時間ほど前に点火すると慌てずに済みます。
    • ガスタイプのバーベキューグリル ガスグリルの場合は、肉を乗せる数分前に点火してもおそらく問題はありません。ただし、網上にはやや低温になっている部分が1カ所あったほうがよいでしょう。直火が当たらない場所でじっくりと焼けるように、グリルは片側だけに点火しましょう。
    • 炭火タイプのバーベキューグリル 肉を乗せる前に、グリルの片側に炭を寄せて積み上げ、「熾き(おき)」の状態(炎が収まって炭が内部まで赤くなり、表面に灰をうっすらとかぶった状態)を作ります。こうしておくと、直火で表面に焼き色を付けた後に、反対側の低温部分で仕上げの加熱を行うことができます。
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4の方法2:
丸焼き

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    各面を2分間ずつ焼きます。グリルの一番熱い部分に豚ヒレ肉を丸ごと乗せてふたを閉め、直火で全面をおよそ2分間ずつ焼いて焼き色を付けます。しばらくそのままにしておきます。2分が経過したら、肉を90度返して次の面を焼きましょう。肉の大きさと形によっては、この作業を4回行う場合もあれば、それ以下の場合もあります。表面にこんがりと良い焼き色が付いたら肉を低温部分に移動して、やや低い温度で時間をかけて焼きましょう。
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    低温部分に肉を移動します。炭火グリルの場合は、炭を置いていないほうの端に肉を移動して直火を避けます。電気式グリルの場合は脇(高温部分の隣にある低温部分)に寄せます。ふたを閉めてグリル内部に熱を閉じ込めます。上部に空気孔がある場合は、半分だけ開けておきましょう。[3]
    • 常に肉が見えていないと中で大変なことが起こるかもしれないとの考えから、調理中にグリルのふたを閉めることに不安を覚える人も多くいます。そのようなことは気にしないようにしましょう。グリルのふたを開けたまま極度の高温で調理することは非効率的であり、熱が均等に伝わらないために肉の乾燥や焼きすぎを招きやすくなります。グリルは本来の使用方法に基づいて使いましょう。ふたを閉めてタイマーをセットしたら、リラックスして肉が焼けるのを待ちます。
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    およそ20分間焼きます。調理中はグリルのふたを1、2回開けて肉を裏返し、乾燥を防ぎます。炭の様子を確認しながら、グリル内の温度を高温かつある程度一定に保ちますが、肉はあまりつつき回さないようにしましょう。肉には触れずに、焼けるのをじっと待ちます。20分後にはほぼ中まで火が通っているはずです。
    • 肉用温度計を使用する場合、肉の内部の温度はおよそ60~70度に達しているはずです。[4]
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    グリルから肉を下ろして15分間寝かせます。切り分ける前に、肉をまな板もしくは皿に乗せてアルミホイルで覆い、しばらく放置します。数分間寝かせることで、肉汁をたっぷりとたたえた柔らかい仕上がりになります。こみ上げる食欲をぐっとこらえましょう。
    • 肉を寝かせるのは熱くて食べられないからではなく、風味を高めるためです。肉汁を肉の内部に戻して風味を高めるために、表面温度を少し下げることが目的です。調理後すぐに切り分けると肉汁が皿の上にどっとあふれ出し、風味がだいぶ失われてしまいます。[5]
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    肉をおよそ2 cmの厚さに切り分けて、すぐに食卓に出します。肉を寝かせた後は、厚め(最大2.5 cm)に切ってすぐに食卓へ運びましょう。豚ヒレ肉とよく合う食材には、以下のようなものがあります。
    • インゲン豆のロースト
    • ローストポテト
    • トウモロコシの直火焼き
    • 自家製アップルソース
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4の方法3:
ステーキ

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    加熱する前に、肉を3.5 cmの厚さに切ります。個人の好みに合わせて肉を焼きたい、サンドイッチに挟みたい、あるいは異なる味付けをいくつか試してみたいという場合には、漬け汁から肉を取り出した後、焼く前に2~2.5 cmの厚さに切り分けるとよいでしょう。
    • 肉叩きを使用して1 cm程度の厚さに肉を叩き伸ばすのもよいでしょう。切り分けた肉を清潔なタオルの下に置き、肉叩きで叩いて平らにします。アメリカ中西部では、思わず笑ってしまいたくなるほど(およそ皿1枚分)の大きさまで豚のヒレ肉を叩いて伸ばします。ハンバーガー用のパンに乗せると、その全体像はもう土星にしか見えません。アメリカ各州の特産物が並ぶ年に1度の祭り「ステート・フェア」ではおなじみのサンドイッチです。
    • 肉を切り分けたり叩いたりする場合は、漬け汁で下味を付けた後、グリルで焼く直前に行います。肉を叩いた後で漬け汁に入れないようにしましょう。
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    両面にたっぷりとスパイスをまぶします。肉を焼く前に、好みのスパイスを肉の両面に振りかけます。あるいはオリーブ油をハケで塗り、塩とこしょうをまぶすだけでも、手軽でおいしいサンドイッチができます。
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    肉の両面に焼き色を付けます。強火で表面に良い焼き色を付けた後、低温部分に肉を移動してグリルのふたを閉め、さらに数分間加熱して内側まで火を通すと風味が増します。
    • 各面を4~6分程度焼きます。肉の温度を確認する場合は、グリルから下ろすときの温度で70度程度が目安です。
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    焼き上がった肉をハンバーガー用のパンに乗せ、サンドイッチにして食卓に出します。アルミホイルで肉を覆って10~15分間寝かせたらハンバーガー用のパンに乗せ、キュウリのピクルスやマスタード、生タマネギを挟んで食卓に並べましょう。とてもおいしいサンドイッチの出来上がりです。
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4の方法4:
豚ヒレ肉の詰め物

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    下味を付けた肉の側面に包丁を入れて開きます。切れ味の良い包丁で、4分の3ほどの深さまで縦方向に切れ目を入れます。肉を広げて、できる限り平らにならしましょう。
    • 詰め物をしたときに中身がこぼれないように、好みに応じて肉叩きで肉を少し叩いて広げても構いません。詰め物の量によってはこの作業が必要になるかもしれません。最終的には紐で縛るため、かなり平たく伸ばしてもまったく問題はありません。
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    詰め物を作ります。パン粉やチーズ、ベーコン、野菜などを混ぜ合わせて肉に詰めると、料理のレベルがぐっと上がります。料理の格を少し上げようと思うのであれば、詰め物をするのが一番です。好みの材料でいろいろと試してみても、あるいは失敗のない定番素材を使うのもよいでしょう。
    • ベーコンとマッシュルームの詰め物 フライパンでベーコン(3、4枚)をカリカリになるまで焼いたら、マッシュルーム(2カップ)と塩を少々加えます。そのまま一切触れずにマッシュルームを1分間焼いた後、ベーコンと絡めて柔らかくなるまで加熱します。みじん切りにしたにんにく(2かけ)を加えてさらに加熱します。仕上げにパン粉(大さじ2、3杯)と刻んだパセリの葉を少量加えます。
    • ほうれん草の詰め物 ベビースピナッチ(ほうれん草の幼葉、1カップ)とバジルの葉(1/2カップ)、にんにく(2かけ)、パルメザンチーズをすりおろしたもの(大さじ2~4杯)をフードプロセッサーにかけます。これにつぶした赤唐辛子を少々とイタリアンスパイスを加え、仕上げにバルサミコ酢を少量垂らします。
    • 豚ヒレ肉の詰め物(ベーコン巻き) 細かく刻んだタマネギとセロリ(1、2本)、ドライトースト(何も塗らずに焼いたパン、1、2枚)を小さくちぎったもの、溶かしたバター(大さじ3杯)、塩、こしょう、オレガノをボウルに入れて混ぜ合わせます。これを肉に詰めてくるくると巻き上げたら、ベーコン(6~8枚)を巻き付けて全体を包みます。紐で縛って通常の手順で焼きましょう。とてもよく合う取り合わせです。
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    肉の上に詰め物を広げます。肉を少し平らにしたら詰め物を肉の上に均等に広げ、肉と詰め物の厚みに応じて巻き上げるか、もしくは紐で縛ります。
    • 巻き上げる場合は、詰め物を肉の上に薄く広げます。詰め物の厚みは最大でも5 mm以内に留めましょう。渦巻き模様になるように、詰め物をたくし入れながら長いほうの端を持ってくるくると巻きます。巻き終えたら、形が崩れないように紐で縛ります。
    • 元の形状をできるだけ保ちたい場合は肉を叩かず、包丁を入れて開いた肉に好きなだけ詰め物をしましょう。食品保存用ラップをきつく巻き付けて形を保ち、焼く前に紐で縛るとよいでしょう。
  4. 4
    詰め物をした肉を紐で縛ります。調理用の紐で肉を縛って切り口を閉じます。見た目を気にする必要はありません。短い紐を数本用意して、肉の中央と両端を1カ所ずつ、少なくとも3カ所を巻いて縛ります。
    • 調理用の紐がない場合は切り口をつまんで閉じ、料理用の串を数本使って留めます。肉を焼き終えてから串を取り除き、通常どおり切り分けましょう。
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    通常どおり肉を焼きます。上記「丸焼き」の項で示した基本の焼き方(全面に焼き色を付けた後、低温部分に移して20分ほど加熱する)に沿って焼きます。詰め物がひどく散らかってしまう場合は、低温部分に移した後で肉の下にアルミホイルを敷いて受け皿にするとよいでしょう。
    • 温度計を詰め物に差し込んで誤った温度を読み取ってしまわないよう、肉の温度を確認する際には少し注意が必要です。肉の内部(詰め物ではありません)の温度はおよそ60~70度になっているはずです。
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    肉を寝かせたら紐を取り除きましょう。紐はすぐに取り除いてはいけません。巻いていた肉が解けて、ばらばらになってしまうおそれがあります。詰め物をした肉でも、通常の手順で寝かせると形が崩れません。10~15分経ったら紐を解き、2.5 cmの厚さに切り分けて食卓に並べましょう。
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ポイント

  • いろいろと工夫して、豚ヒレ肉の直火焼きに合う自家製のスパイスミックスを作ってみましょう。にんにくやローズマリー、塩、こしょう、オリーブ油を使うと豚肉の風味がよく引き立ちます。
  • 豚肉の水分を保つには、漬け汁が重要な役割を果たします。つや出しには糖分を含むものならたいていのものを使用できます。豚ヒレ肉を直火焼きにする場合はバーベキューソースやジャムの他、ハチミツも最適です。ただし、つや出しは肉に焼き色を付けた後、内部まで火を通してしまう前に行いましょう。
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必要なもの

  • 豚ヒレ肉(450 g)
  • 漬け汁
  • 食品保存用ラップ
  • バーベキューグリル(炭火もしくはガスタイプ)
  • 肉用温度計

このwikiHow記事について

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カテゴリ: 食・おもてなし

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