膣のかゆみを抑える方法

共同執筆者 Lacy Windham, MD

女性であれば、人生の中で1度は膣のかゆみに悩まされた事があるという人は多いでしょう。放っておいても自然に治癒する事もあれば、病気やアレルギーが原因で長い間治らないという事もあります。膣のかゆみを引き起こしている原因によって、自宅で治療できるものもあれば、医師の診察を受けた方が良い場合もあります。

5の方法1:
一時的にかゆみを抑える

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    患部を冷やしましょう。かゆみを起こしている原因がなんであれ、冷やしたタオルなどを腟部に当てることで一時的にかゆみを抑えることができるでしょう
    • 清潔な小さいタオルに冷水を十分に染み込ませましょう。その後、余分な水分を絞り、5分〜10分腟部にタオルを当てましょう。
    • 使い終わったら必ずタオルを洗いましょう。繰り返し行う際は、その都度新しいタオルを使いましょう。
    • アイスパックを使っても良いでしょう。その際、アイスパックを清潔なペーパータオルで包んで使用し、一度に20分以上冷やさないようにしましょう。
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    かゆみの原因を取り除きましょう。洗濯洗剤、石鹸などがかゆみの原因となっているかもしれません。アレルギーによるかゆみであれば、無臭の洗濯洗剤に変え、柔軟剤を使用するのを止めてみると、かゆみが治まるかもしれません。同様に、ボディーソープに含まれる成分がかゆみの原因かもしれないので、低刺激性のものに変えてみると良いでしょう。
    • 固形石鹸や敏感肌用のボディーソープを試してみるとよいでしょう。
    • 香料の入っているボディソープ、拭き取りワイプ、パウダーなど、膣のかゆみの原因となりうる製品の使用は避けましょう。
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    保湿しましょう。多くの薬局にて、デリケートゾーンのかゆみを抑える水性のクリームや軟膏を購入する事ができます。使用の際は、説明書をよく読んで使用しましょう。これらの軟膏は、かゆみの元となる原因の根本的な治療にはならないと覚えておきましょう。[1]
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    掻かないようにしましょう。掻けば掻くほど余計にかゆくなります。また、掻いた箇所が傷口になり感染症を起こす事もあるので、できるかぎり掻かないようにしましょう。[2]
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    かゆみの元となる原因の治療をしましょう。たまにかゆくなる程度では、治療を必要としない事もありますが、ひどいかゆみ、しつこいかゆみに悩まされている場合は、かゆみの元となっている原因がある場合が多いでしょう。かゆみの原因を突き止め、感染症が原因であれば治療をし、かゆみを起こす製品の使用を止めるなどの対処しましょう。[3]
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5の方法2:
カンジダ症によるかゆみを抑える

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    カンジダ症(イースト感染症)を見分けましょう。カンジダ症と他の感染症とを見分けるのは簡単ではないでしょう。自己診断ができない場合はすぐに医師にかかりましょう。カンジダ症の典型的な症状として、腟部の炎症、焼けるようなかゆみ、痛み、水っぽい、または粘りのある白い無臭のおりもの等があります。[4]
    • 上記以外のおりものがみられる場合は、他の感染症に感染している可能性があります。
    • 妊娠中、抗生物質を服用中、糖尿病を患っている、免疫が低下している時には、カンジダ症にかかりやすくなります。
    • 妊娠中でカンジダ症が疑われる場合は、病院を受診し、医師に診断してもらいましょう。カンジダ症でない別の感染症に感染していた場合、胎児に悪影響がでる場合があります。[5]
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    市販の薬を使ってみましょう。豊富な種類のカンジダ症の治療用のクリーム及び膣座薬は薬局で購入することができます。これらの薬は、ほとんどのカンジダ症に効果があります。[6]
    • 投薬期間が長いタイプまたは短いタイプがあります。カンジダ症が再発した場合には、7日間用の薬を試してみましょう。
    • 不快感が強い場合は、カンジダ症の治療に有効な成分とかゆみを抑える成分の両方が含まれている薬を選びましょう。
    • 外用薬には通常ブトコナゾール、クロトリマゾール、ミコナゾール、テルコナゾールといった成分が含まれています。これらの成分は全て、カンジダ症の治療に有効です。[7]
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    他の治療法を探してみましょう。市販の薬が効かない場合、もしくは、より自然な治療法を試したい場合、他の方法を試してみましょう。[8]
    • ホウ酸の膣座薬を使ってみましょう(日本では売られていません)。ホウ酸はカンジダ症の元となる菌を殺す効果があると言われています。北米では、健康食品や自然系の雑貨などを扱う店でホウ酸座薬を購入できます。カンジダ症の治療に、粉末状のホウ酸を使用すると、症状が悪化するので使用してはいけません。ホウ酸は毒です。ホウ酸を使用している間は口腔性行を行ってはいけません。
    • ティーツリーオイルを試してみましょう。ティーツリーオイルを浸したタンポンもカンジダ症に有効かもしれません。使用の際には注意して、少しでも不快に感じたらタンポンを抜くようにしましょう。ティーツリーオイルには抗真菌作用があるとされていますが、カンジダ症に有効であることを証明するためにはまだまだ検証が必要です。
    • プロバイオティック製品を試してみましょう。体内に善玉菌が増えると、カンジダ菌の繁殖を抑えることができるという研究報告があります。健康食品店などで乳酸菌の錠剤購入し、膣にそのまま挿入することで善玉菌を増やす事ができるでしょう。[9]プロバイオティック成分を多く含むヨーグルトを食べたり、膣に塗ったりすることでもカンジダ症を治す事ができるかもしれません。[10]しかしながら、これらの療法は従来の治療法に比べて効果が薄く、費用も割高になります。
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    病院を受診する時期を見極めましょう。カンジダ症のほとんどは市販薬などを使って自宅で治療することができますが、中には医師にかからなければならない場合もあります。一般的に言って、初めてカンジダ症にかかった時には間違った自己診断を下してしまいがちなので、医師に診てもらうとよいでしょう。自宅での治療がうまくいかない場合も医師にかかりましょう。
    • 市販のカンジダ症の薬が効かない場合、医師から経口薬を処方されることもあります。
    • カンジダ症の特徴に、粘りのある白いおりものがみられます。灰色、黄色、緑がかったおりものがみられる場合は、カンジダ症ではない場合が多いので、医師にかかりましょう。
    • カンジダ症かどうか確認したいけれど、病院に行くことに抵抗がある場合は、自宅でできるカンジダ検査キットを購入するとよいでしょう。その場合も、自宅の治療で症状が改善されない場合には、病院に行きましょう。[11]
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    カンジダ症の再発を防止しましょう。全ての再発を防止するのは不可能かもしれませんが、再発の確率を下げることはできます。予防策を以下に挙げます。[12]
    • 必要時以外は抗生物質を服用しないようにしましょう。抗生物質により、膣内の常在菌のバランスが崩れて、カンジダ症を引き起こしてしまうことがあります。しかしながら、本当に必要な時は抗生物質を服用しましょう。
    • 綿製の下着を着用しましょう。
    • 締め付けがきついズボン、ストッキング、下着は着用しないようにしましょう。
    • 濡れた衣類はすぐに脱ぐ、お風呂やジャグジーに浸からないなど、できるだけ腟部を乾かし、温めないようにしましょう。
    • 卵胞ホルモン(エストロゲン)配合の避妊薬を服用していて、過去に何度もカンジダ症を発症した事がある場合は、黄体ホルモン(プロゲステロン)のみ含有の避妊薬に変えるか、避妊薬以外の避妊方法に変更してみると良いでしょう。卵胞ホルモンの分泌が増えると、カンジダ症を発症することがあります。[13]
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5の方法3:
細菌性膣炎によるかゆみを抑える

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    かゆみ以外の症状を理解しましょう。細菌性膣炎の症状には、ひりひりと焼きつくような感覚、炎症、灰色がかった白の薄いおりもの、腟部からの魚のような異臭などがあります。これらの全ての症状が現れることもあれば、いくつかだけ、または全く現れないということもあります。
    • 細菌性膣炎を引き起こす確実な原因は分かっていませんが、かかりやすい女性とそうでない女性がいるということは分かっています。過去に細菌性膣炎にかかった事のある女性の多くは、1年以内に最低1度は再発すると言われています。これは、健康な常在菌の数が少ない体質によるものかもしれません。
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    病院を受診しましょう。カンジダ症とは異なり、細菌性膣炎は自宅で効果的に治療することはできません。 膣炎を治療し、症状から解放されるには、医師に薬を処方してもらうしかありません。メトロニダゾール、チニダゾールといった経口薬か、クリンダマイシンといったクリームを処方されるでしょう。[14]
    • 細菌性膣炎の診断には、内診と、綿棒でこすり取った膣内の分泌物の顕微鏡検査が必要になるでしょう。その際、膣内のpHを測るストリップテストを行う場合もあるでしょう。
    • 妊娠中に細菌性膣炎かかると、重篤な合併症を引き起こす事があるので直ちに治療しましょう。
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    細菌性膣炎の再発を防止しましょう。細菌性膣炎の再発を完全に防止することは難しいものの、いくつかの簡単な方法で再発の確率を減らすことはできます。
    • 膣洗浄をすると、常在菌のバランスが崩れてしまい、膣炎を引き起こす事があるのでやめましょう。
    • 石鹸、タンポン、スプレーなど香料のついている製品を使用しないようにしましょう。
    • 性行為を行う相手を限定しましょう。はっきりとした原因はわかりませんが、複数名と性行為を行なっている女性、最近新しく相手ができた女性、女性同士で性行為を行なっている女性の方がより細菌性膣炎にかかりやすいとされています。
    • シャワー後は腟部をしっかり乾かし、湯船に浸かることは控えましょう。
    • トイレで用を足し終わったら、必ず前から後ろに拭くようにし、糞便性の細菌が腟部に入らないように気をつけましょう。
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5の方法4:
性感染症(STD)によるかゆみを抑える

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    性感染症(STD)の兆候を知りましょう。腟部のかゆみは、あらゆる性感染症にみられます。以下に挙げる症状がみられる場合、また性感染症に感染したと考えるに値する理由がある場合はすぐに医師の診察を受けましょう。また、以下の症状がみられなくても性感染症に感染していることもあります。[15]
    • トリコモナス症に感染すると、腟部の赤み、強い匂い、黄緑がかったおりものがみられます。
    • クラミジア症は無症状のことが多いですが、不正出血、おりもの、腹部の痛みがみられる場合もあります。
    • 淋菌感染症に感染すると、一般的に、色がくすんだ、または血が混じった濃いおりもの、不正出血、肛門のかゆみ、排尿時の痛みがみられます。
    • ヘルペスに感染すると、赤いぶつぶつや水疱が現れ、性器の周辺にヒリヒリとした痛みを感じます。
    • ヒトパピローマウイルス感染症(HPV)に感染すると、性器の周囲に肌の色と同じ小さなイボが現れます。イボが集団で出現することもあります。
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    医師の診察を受けましょう。性感染症に感染した場合は、医師の治療が必要です。感染症の中には治療せずに放置すると、重篤な合併症を起こす場合もあるので、直ちに医師にかかり、処方された薬を指示通りに服用することが大切です。[16]
    • 淋菌感染症、クラミジア、梅毒、トリコモナス症は抗生物質による治療が可能です。炎症の度合いによりますが、経口薬の処方、または注射薬による投薬になるでしょう。
    • ヒトパピローマウイルス感染症の治療法はありません。しかし、医師による他の治療でいぼの出現を抑えることはできるかもしれません。
    • ヘルペスは、症状の拡散を抑えるために抗ウイルス薬を使って対処することはできますが、確実な治療法はありません。また、投薬をしても、他者への感染を防げるという保証はありません。
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    性感染症を予防しましょう。性感染症の予防に一番有効な方法は、安全な性行為を行う事です。[17]
    • 性感染症の予防に有効な、安全な性行為とは、性行為をしない、または性感染症に感染していない相手一人だけと性行為を行うことです。
    • 複数の相手がいる場合は、性行為中にコンドームを使用して感染から自分を守りましょう。
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5の方法5:
非感染性膣炎によるかゆみを抑える

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    原因と症状を理解しましょう。非感染性膣炎とは、感染を原因としない、かゆみなど腟部の炎症全般を指します。非感染性膣炎を引き起こす原因として、アレルギー反応、肌のかぶれなどの肌トラブル、ホルモンバランスの崩れなどがあります。[18]
    • 感染性か非感染性かを見分けることは難しいでしょう。カンジダ症と洗濯洗剤によるのアレルギー症状が混同されることはよくあります。これらの理由からも、原因がわからない場合には医師の診断を受けることが大切です。非感染性膣炎の一般的な症状に、腟部の焼けるようなひりひりとした痛み、おりもの、骨盤部の痛みなどがあります。
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    原因となっている可能性のある製品の使用を止めましょう。石鹸や潤滑剤などのアレルギー反応として腟部にかゆみが出ている可能性があります。[19]
    • 敏感肌の人は、香料のついた製品の使用は止めましょう。
    • 新しい製品を使い始めてすぐに腟部にかゆみが現れた時は、直ちに使用を止め、その製品と同じ成分が入っている製品を使用しないようにしましょう。
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    ホルモンバランスの変化に注意しましょう。更年期に差し掛かる手前と更年期中は、エストロゲンの分泌が低下するため、腟部のかゆみを訴える女性が増えます。これらの症状を抑えるために、エストロゲン配合のクリーム、エストロゲン錠またはエストロゲン含有の子宮リングなどが処方されることがあるでしょう。[20]
    • 更年期に腟部の乾燥に悩まされている場合は、市販の膣用のモイスチャークリームを使用し、性行為の際には水性の潤滑剤を使用するとよいでしょう。[21]
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    皮膚疾患の治療をしましょう。中には、腟部周辺の皮膚疾患が原因でかゆみ等がみられることがあります。その場合は、皮膚科を受診して治療に当たりましょう。
    • 硬化性苔癬にかかると、皮膚が白く薄片状になります。その場合、医師の処方によるステロイドクリームを塗布して治療します。[22]
    • アトピーと乾癬も腟部のかゆみの原因となります。婦人科医または皮膚科医に薬を処方してもらいましょう。[23]
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このwikiHow記事について

産婦人科医
この記事はLacy Windham, MDが共著しています。 ウィンダム医師はテネシー州在住の認定産婦人科医です。2010年にイースタン・バージニア大学医学部にて臨床研修を修了しています。また同大学より最優秀研修医賞を受賞しています。
カテゴリ: 健康

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