痔を治療する方法

共同執筆者 Stephen Chow, MD

痔や「痔核」の原因には妊娠や不適切な食事習慣、便通時の過剰ないきみや度重なる便秘が挙げられます。[1] 一般的に痔は体の直腸や肛門にかかる圧力が原因で形成される静脈瘤を指します。腫れや出血、また痒みを伴うため、不快感を感じるだけでなく、対処しにくい場合があるでしょう。痔は一般的にそれほど深刻な症状ではありません。しかし血液希釈剤を使用していたり、肝硬変を患っている人々は、長期にわたって重度の出血を経験する可能性があります。[2] 幸いにも、痔を治療して再発を防ぐ上で様々な方法があります。

3の方法1:
自宅で痔を治療する

  1. 1
    腰湯に浸かってみる 腰湯とは、腰とお尻をお湯に浸す方法を指します。腰湯の蒸気は痔核の症状を緩和して痛みや痒みを軽減します。[3]
    • 浅めの浴槽か、便座の上にぴったり合うような特別な装置を使用してもよいでしょう。[4]
    • 肛門部分をお湯に10~15分間浸します。これを一日に2~3回行えば、迅速かつ効果的に治療ができます。[5]
  2. 2
    濡れティッシュを使用してみる 痔に苦しんでいる時に普通のトイレットペーパーを使うと、すでに腫れて炎症している血管を破損させてしまいます。トイレットペーパーの代わりに、無香性の赤ちゃん用の濡れティッシュを使ってみましょう。[6]
    • 痔核を刺激しないためにも、無香性でアルコール成分を含まない濡れティッシュを使用しましょう。[7]
  3. 3
    塗り薬を使用してみる 痔を治療する上で市販の塗り薬が数多くあります。これらにはクリーム状のものや軟膏、薬用の濡れティッシュ、また座薬が含まれます。[8]
    • 大半の塗り薬はマンサクやヒドロコルチゾンといった成分を含みますが、それらには痔に関連した痛みや痒みを軽減する作用があります。[9]
    • その他の塗り薬にはステロイドや麻酔薬、収斂剤、消毒剤が含まれます。[10]
    • 医師から特に指示がない限り、市販の塗り薬を一週間以上使用しないようにしましょう。[11]
  4. 4
    市販の鎮痛剤を摂取してみる 痔に苦しんでいる人の大半は特に便通時に痛みを感じるでしょう。痔による痛みに苦しんでいる場合には、塗り薬と併用してアセトアミノフェンといった市販の鎮痛剤を飲んでみてもよいでしょう。[12]
    • 痔核から出血していたり、消化管出血が見られる場合には、非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェン)の使用を控えましょう。血液の凝固能力に悪影響がおよぶ恐れがあります。さらに、子供や若者にアスピリンを投与してはいけません。子供や大人において、アスピリンはライ症候群という珍しく、深刻な症状を引き起こす可能性があると見られています。ライ症候群は肝臓と脳に腫瘍を生じさせるため致命的な場合があります。[13]
  5. 5
    冷湿布を当ててみる 血管が腫れて炎症を起こすために痔核は生じます。そのため、アイスパックや冷湿布を当てて痔核への血流を遅らせれば、炎症を抑えることが可能です。[14]アイスパックや冷湿布をジッパー付きのビニール袋に入れて肛門に当てれば、回復を早めることができるでしょう。[15]
    • アイスパックや冷湿布を20分間以上連続して当てないように気を付けましょう。少なくとも10分間置いてから必要に応じて再度当てます。[16]
  6. 6
    清潔な状態に保つ 痔に取り組む上で効果的な方法の1つとして、肛門付近を清潔に保つことが挙げられます。毎日入浴したりシャワーを浴びるように心掛け、お湯で優しく肛門付近の皮膚を洗い流しましょう。この際に石鹸を使用することもできますが、痔を患っている場合には石鹸により不快感が生じる場合があります。[17]
    Advertisement

3の方法2:
痔の再発を防ぐ

  1. 1
    便通時のいきみを控える トイレに行く際にいきみ過ぎしてしまうことこそが痔の最大の原因として挙げられます。これは便秘や、過敏性腸症候群やクローン病などの消化系疾患に関連する慢性的な下痢により引き起こされる場合があります。[18] またトイレの中で便座に座って、長時間にわたって読書やスマートフォンをいじることも関係しています。[19]
    • 不必要に便座の上で長時間座らないように気を付けましょう。[20]
    • 便座の上に座っている際にわずかに足を上げてみましょう。こうすれば、便通時にそれほど力を入れる必要がありません。[21]
    • 市販薬や処方薬の副作用として便秘になる場合もあります。使用する薬に関して医師に相談し、便秘になりにくい薬に切り替えてもよいでしょう。
  2. 2
    便意を感じた際にすぐにトイレに行く 痔になりやすい体質であれば、便意を感じた際にすぐにトイレに行きましょう。「都合のよい」時まで便意を我慢すると、便秘になるため便通が困難になります。それが原因で痔になったり、痔の症状が悪化する恐れもあります。[22]
  3. 3
    食事習慣を変えてみる 頻繁に痔になるようであれば、食事習慣を変えることで痔の頻度を軽減できるでしょう。健康的な食品を摂り、有害な食品や飲料を避けるように心掛ければ、便通を管理できるだけでなく便秘を防げます。
    • 食事に食物繊維を加えましょう。食物繊維を豊富に含む食品には、果物や野菜、全粒粉から作られたパスタやパン、全粒米、種やナッツ、またオート麦などが含まれます。[23]
    • 食物繊維補助食品を使用してもよいでしょう。食物繊維補助食品には難消化性デキストリン、水溶性食物繊維イヌリン、ネイチャーメイド食物繊維などがあります。毎日のように補助食品を摂取すれば、一日当たり20~30グラムの繊維を摂取できるでしょう。[24]
    • 水分補給をこまめに行いましょう。毎日十分な量の水分を摂れば便通を管理できるだけでなく、便秘を防げます。[25]一日当たり6~8杯の水を飲むことを目標としましょう。[26]
    • 便通を妨げる恐れがあるのでカフェインやアルコールを控えましょう。[27]
    • 軟便剤を試してみてもよいでしょう。小さじ一杯(14.79 ml)の鉱物油をアップルソースやヨーグルトといった柔らかい食品に添加するだけで簡単に軟便剤を調合できます。一日の食事の中に、軟便剤を一回加えてみましょう。ただし長期間にわたってこの軟便剤を使用するのは控えましょう。[28]
  4. 4
    運動をして減量する 太り過ぎていると、余分な重量が血管にかかるため痔になりやすくなってしまいます。[29]運動自体も便秘を防ぐ上で効果的です。[30]
  5. 5
    代替医療を使用してみる 薬物療法が最も効果的な手段であるとはいえ、特定の薬草療法やビタミン療法にも回復を助ける効果があります。最初に医師や薬剤師に相談してからサプリメントや代替療法を試すようにしましょう。さもないと、摂取している他の薬品と干渉する恐れがあります。一般的な代替療法には次のものが含まれます。
    • アロエベラ
    • ビタミンE[31]
    • ノコギリソウ[32]
    • ヤマモモ[33]
    • ゴールデンシール[34]
    • ミルラ[35]
    • ホワイトオーク[36]
    Advertisement

3の方法3:
医療機関に助けを求める

  1. 1
    医師に相談するタイミングを把握しておく 痔の治療はそれほど難しいものではなく、一般的に危険でもありません。しかし、人によっては合併症を引き起こす可能性もあります。痔に関連した合併症を患っていたり、市販薬を使用してから一週間が経過しても回復に至らない場合には、すぐに医師に相談しましょう。[37]
    • 便に血が含まれている場合には、原因が痔にある可能性があります。しかし場合によっては、それがもっと深刻な健康問題に関係する症状であるかもしれません。便に血が含まれている際には、医師に連絡してすぐに診断してもらいましょう。
    • 長期間にわたって慢性的な出血が見られる場合には、貧血症が生じる恐れもあります。赤血球細胞が減少するため貧血症にかかり、体は酸素を細胞に運びにくくなってしまいます。貧血症の症状として、倦怠感や慢性的な疲労が挙げられます。[38]
    • 体内における痔核への血流が突然打ち切られると、嵌頓性痔核としても知られている症状が引き起こされる恐れがあります。嵌頓性痔核は強い痛みを伴い、壊死(細胞の死)や壊疽を引き起こす場合があります。[39]
  2. 2
    非外科的療法を試してみる 医師に相談すれば、手術を伴わない選択肢を紹介してくれるでしょう。これらの選択肢は一般的に安全で効果的であり、侵襲的ではありません。一般的に通院によって治療が可能です。[40]
    • 輪ゴム結紮術―この非侵襲的手法では、痔核への血流を小さな輪ゴムで制限します。医師は輪ゴムを痔核の基部の周りに巻きます。一週間のうちに痔核は縮小して取れます。[41]
    • 注入硬化療法―この手法では、炎症している組織内に化学物質を注入します。結果として痔核は縮小して、痛みや炎症も軽減されます。注入時にわずかな痛みが伴います。輪ゴム結紮術と比べると効果はやや落ちます。[42]
    • 凝析―この手法ではレーザー、赤外線、また熱(双極)治療のいずれかが使用されます。炎症している痔核を縮小させて硬化させます。凝析にはいくつかの副作用が伴いますが、輪ゴム結紮術と比べると再発率は低いでしょう。[43]
  3. 3
    外科手術を受けてみる 場合によっては、非外科的療法では痔核を治療できない場合があります。他の治療法が功を奏さなかったり、異常に大きな痔核が見受けられるような場合には、医師は手術により痔核を除去することを提案する場合があります。[44] 手術に関してはいくつかの異なる選択肢があります。通院しながら治療できるものもあれば、入院が求められる場合もあるでしょう。これは手術方法や痔の症状により異なります。長引く出血や感染症、また便の漏出といったリスクが外科手術には伴いますが、長期的に見て悪性の副作用はほとんどありません。[45]
    • 痔核切除―この手法では、痔核と痔核付近の組織を手術で切除します。痔核切除はその他の治療法では効果がなかった痔角を治療する上で最も効果的な方法です。[46]
    • ステープル留め痔核固定—この手法では、痔核を手術でステープル留めして患部への血流を切断します。この手法は痔核切除と比べてそれほど痛みを伴わないものの、痔核の再発や直腸脱を引き起こす可能性が高いと言えます。[47]
    Advertisement

ポイント

  • 痔を患っている場合には肛門性交を控えましょう。痔の症状が悪化するだけでなく、血液を媒介とする病気を簡単に伝染させてしまう恐れがあります。
  • 痔は妊娠期間中や出産後において一般的に見られます。妊娠に何かしらの副作用がおよばないかどうかを医師に確認してから薬を使用しましょう。
  • ヒドロコルチゾン[バイコディン]、コデイン、オキシコドン[オキシコンチン]などの鎮痛剤は便秘を生じさせる可能性があるだけでなく、痔に発展する恐れがあります。軟便剤や、必要に応じて鎮痛剤を使用する際には注意しましょう。
Advertisement

注意事項

  • 便の中に血が含まれているようであれば医師に相談しましょう。痔も問題ですが、血を含む便は結腸がんといったもっと深刻な問題に関係する症状かもしれません。
  • 人によっては痔用クリームに含まれる収斂薬や鎮痛剤に対して敏感な反応を示す場合があります。これらの製品を使用する際には気を付けましょう。
  • 排便できないほどに痔核が痛む場合には、すぐに医師に相談しましょう。処方用量の軟膏を塗る必要があるかもしれません。また痔核が血栓性を引き起こしたり、血栓ができたような場合には切開する必要もあります。
  • 何かに対してアレルギー反応を持っていたり、医療上の問題を抱えているような場合や、他の薬や薬草を使用しているのであれば、医師や薬剤師に必ず相談しましょう。これらの要素のすべては治療計画に影響をおよぼします。
Advertisement

必要なもの

  • 軟便剤
  • 赤ちゃん用のウェットティッシュまたは水溶性ウェットティッシュ
  • 腰湯
  • マンサク含有パッド
  • 血管収縮軟膏
  • リドカインやヒドロコルチゾンを含む痒み止めクリーム
  • アセトアミノフェンまたはイブプロフェン
  • 食物繊維を豊富に含む食品または食物繊維補助食品
  • 水分
  • ビタミンE
  • オオバコ種子
  • 栗またはアロエ油
  • ゲル状または液体状のアロエベラ

このwikiHow記事について

内科医
この記事はStephen Chow, MDが共著しています。 チャウ医師はミシシッピ州在住の内科医です。2014年にセントクリストファー・ネイビス連邦にキャンパスを置く医学大学、「Medical University of the Americas」にて医学博士号を取得しています。
カテゴリ: 全般的健康
  1. http://www.aafp.org/afp/2011/0715/p204.html
  2. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/lifestyle-home-remedies/con-20029852
  3. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/lifestyle-home-remedies/con-20029852
  4. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/reyes-syndrome/basics/definition/con-20020083
  5. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/lifestyle-home-remedies/con-20029852
  6. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/lifestyle-home-remedies/con-20029852
  7. https://www.urmc.rochester.edu/encyclopedia/content.aspx?ContentTypeID=1&ContentID=4483
  8. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/lifestyle-home-remedies/con-20029852
  9. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/causes/con-20029852
  10. http://my.clevelandclinic.org/health/diseases_conditions/hic_hemorrhoids
  11. http://my.clevelandclinic.org/health/diseases_conditions/hic_hemorrhoids
  12. http://www.health.harvard.edu/blog/6-self-help-tips-for-hemorrhoid-flare-ups-201307196496
  13. http://www.health.harvard.edu/blog/6-self-help-tips-for-hemorrhoid-flare-ups-201307196496
  14. http://www.nhs.uk/conditions/haemorrhoids/Pages/What-is-it-page.aspx
  15. http://www.health.harvard.edu/blog/6-self-help-tips-for-hemorrhoid-flare-ups-201307196496
  16. http://www.nhs.uk/conditions/haemorrhoids/Pages/What-is-it-page.aspx
  17. http://www.med-health.net/How-To-Get-Rid-Of-Hemorrhoids.html
  18. http://www.nhs.uk/conditions/haemorrhoids/Pages/What-is-it-page.aspx
  19. http://www.health.harvard.edu/blog/6-self-help-tips-for-hemorrhoid-flare-ups-201307196496
  20. http://www.med-health.net/How-To-Get-Rid-Of-Hemorrhoids.html
  21. http://www.med-health.net/How-To-Get-Rid-Of-Hemorrhoids.html
  22. http://www.disabled-world.com/medical/alternative/homeremedies/hemorrhoid-remedy.php
  23. http://www.disabled-world.com/medical/alternative/homeremedies/hemorrhoid-remedy.php
  24. http://www.disabled-world.com/medical/alternative/homeremedies/hemorrhoid-remedy.php
  25. http://www.disabled-world.com/medical/alternative/homeremedies/hemorrhoid-remedy.php
  26. http://www.disabled-world.com/medical/alternative/homeremedies/hemorrhoid-remedy.php
  27. http://www.disabled-world.com/medical/alternative/homeremedies/hemorrhoid-remedy.php
  28. http://www.nhs.uk/conditions/haemorrhoids/Pages/What-is-it-page.aspx
  29. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/complications/con-20029852
  30. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/complications/con-20029852
  31. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/treatment/con-20029852
  32. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/treatment/con-20029852
  33. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/treatment/con-20029852
  34. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/treatment/con-20029852
  35. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/treatment/con-20029852
  36. https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/002939.htm
  37. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/treatment/con-20029852
  38. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hemorrhoids/basics/treatment/con-20029852

この記事は役に立ちましたか?

はい
いいえ
Advertisement