木の高さを測る方法

北カリフォルニアのとある秘密の場所に、ハイペリオンと名付けられたセコイアがそびえ立っています。その高さはなんと世界最高の115.61mに及びます![1]さらに驚くべきことに、その木の高さは特別に長いメジャーを使って計測されたのです。しかし、通常みなさんが樹木の高さを測る場合にはもっと楽な方法がいくつかあります。センチ単位まで正確に測れるわけではありませんが、それでも、ここでご紹介する方法を使えば、背丈のある物体の高さをある程度まで計測することができます。電柱、ビルディング、魔法の豆の木まで、その頂点が見える限りどんな物体の高さも計測できるのです。では、さっそくステップ1からご説明しましょう。

4の方法1:
紙を使う方法

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    この方法を使えば、単純な計算ひとつすることもなく木の高さを測れます。必要なものは紙とメジャーだけです。計算をする必要はありませんが、答えを出す過程について興味のある方は、三角法の原理を多少は理解しておくのも良いでしょう。
    • 後の「クリノメーターまたはトランシットを使う」では、細かい計算式を使いながらこの方法で答えを出せる理由を詳しくご説明します。もっとも、ここでご紹介する方法を使えば、さらに簡単に木の高さを測ることができます。
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    紙を半分に折って三角形を作ります。もし紙が正方形ではなく長方形の場合は、切って正方形に作り直す必要があります。一つの角を折り曲げて辺同士を合わせて三角形を作り、その後、三角形の上の余白を切り落としましょう。これで今回の計測に必要な二等辺三角形ができます。
    • 作った三角形は一つの角が直角(90度)で、残りの2つの角は45度になります。
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    三角形を片方の目元まで持って行きます。角(直角の部分)を持って、三角形の残りの部分をご自身に向けます。一方の短い辺を横向きに(水平に)、もう一方の短い辺は垂直に(まっすぐ上向きに)しましょう。目線を上げれば、長い辺に沿って上方向を見ることができるはずです。
    • この時点でみなさんが覗き込んでいる長い辺は、三角形のいわゆる“斜辺”になります。
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    木の頂点が三角形の先端と合わさる地点に来るまで、木から後退しましょう。木の頂点が見えるまで、片方の目を閉じて、もう片方の目で三角形の斜辺にぴたりと沿って覗き込むようにしてください。三角形の斜辺に沿った視線の先に木の頂点が来る地点まで後退しましょう。
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    その地点に印をつけて、そこから木の根元までの距離を測ります。この距離は“ほぼ”木の高さと同じです。ただし、地面に立って目線の高さから木を見ていたわけですから、その距離にみなさんの身長をたしましょう。これで答えが出ました!
    • なぜこれで木の高さを求めることができるのか、詳しくは「クリノメーターまたはトランシットを使う」の項をご覧ください。この紙を使う方法では全く計算をする必要がないわけですが、そこにはちょっとしたカラクリがあります:45度(今回みなさんが使いました)のタンジェント(正接)はちょうど1です。計算式は以下のように簡略化できます:木の高さ÷木からの距離=1。両辺に木からの距離をかけると:木の高さ=木からの距離、となるのです。
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4の方法2:
影を比較する

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    この方法はメジャーまたは定規しか手元にない場合に有効です。この方法を使えば、他の器具を用意する必要もなく、かなり正確に木の高さを測ることができます。掛け算や割り算くらいは必要になりますが、それ以外の複雑な計算はありません。
    • 何が何でも計算をしたくないという方は、オンラインで高さ計算ソフトを使うこともできます。この方法で計測したそれぞれの数値を入力すればすぐに答えを出すことができます。
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    まずはみなさんの身長を測りましょう。まっすぐに立った状態で、メジャーやメートル定規を使って測ってください。その際、木の高さを計測する時と同じ靴を履くようにしましょう。後々計算用紙が必要になりますから、今のうちに用意して、後で忘れないように正確な身長を書いておきましょう。
    • 身長は一つの単位で計測しましょう。例えばインチ単位であれば、インチとフィートを組み合わせるのは避けてください。ご自身の身長を測るのが困難な場合は、まっすぐに立てたヤード定規またはメートル定規の高さを利用して木の高さを計測することもできます。その場合、定規の高さと定規の影の長さを使って計測します。
    • 車椅子の方、または何らかの理由で立ち上がることができない方は、外に出て木の高さを測る際は、座った状態でのご自身の高さを測っておきましょう。
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    晴れた時間に、木の近くの平坦な場所に立ちます。正確な計測をするために、平らな地面にご自身の影が映る地点を探しましょう。できれば、よく晴れた日に計測をするのが理想です。空が曇っていると、影の長さを正確に測ることが難しくなります。
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    つぎに、みなさんの影の長さを測ります。メジャーやメートル定規を使って、みなさんの踵から影の先端までの長さを測りましょう。手伝ってくれる人がいない場合は、立った状態で、石を投げて先端部分の印にしましょう。あるいは、石を地面に置いて、影の先端が石に合うように、みなさん自身が移動する方がより簡単でしょう。その後、みなさんが立っている地点から石までの距離を測ってください。
    • 計測した数値はその場で書き留めましょう。後で混乱することがないように、それぞれの数値の種類も書いておきましょう。
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    木の影の長さを測ります。メジャーを使って、木の根元から影の先端までの長さを測りましょう。地面が平坦であればそれだけ正確に測ることができます。傾斜のある場所ではそれほど正確に測ることはできないでしょう。[2] 木の影の長さは、ご自身の影の計測後、できるだけ早く測りましょう。太陽の動きに合わせて影の長さも変化します。
    • 木の影が傾斜地に映っている場合は、しばらく待てば、短くなるかまたは他の方向に向くことによって、平坦な場所に映るかもしれません。
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    木の影の長さに、木の幅の2分の1をたします。ほとんどの木は真っ直ぐ上に向かって生長します。そのため、木の最も高い地点は幹の中心に位置しているはずです。木の影の長さを求めるには、今しがた求めた影の長さに幹の直径の2分の1をたす必要があります。というのも、実際のところ木の頂点はみなさんが計測するよりも長い影を落とすことになるのです。影の一部は、幹の上の方のみなさんのいる位置からは見ることができない場所にかかっています。
    • 幹の幅は長い定規やメジャーを使って測ります。計測した数値を2で割って木の幅の2分の1の値を求めましょう。木の幅が測定しにくい場合は、木の周りぴったりに正方形を描いて1辺の長さを測ってください。
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    これまでに求めた各数値を使って木の高さを算出します。この時点で、みなさんの計算用紙には3つの数値が書かれているはずです:みなさんの身長、みなさんの影の長さ、そして木の影の長さ(幹の幅の2分の1を含む)。影の長さは物体の長さに正比例します。ということは、みなさんの影の長さを身長で割った値は、常に木の影の長さを木の高さで割った値と同じということです。この方程式を使って木の高さを求めてみましょう:
    • 木の影の長さにみなさんの身長をかけます。もしみなさんの身長が1.5m、木の影の長さが30mだとすると、その2つをかけ合わせると:1.5 x 30 = 45 となります。
    • その値をみなさんの影の長さで割ります。上記の例にならって、みなさんの影の長さが2.4mだとすると、上記の値を2.4で割ると:45÷2.4 = 18.75となり、18.75mが木の高さになります。
    • 計算が面倒な場合は、オンラインで高さ計算ソフトを使いましょう。
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4の方法3:
鉛筆とパートナーを使う

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    これは上記の影を使う方法の代わりとして使えます。この方法はやや正確性を欠きますが、曇り空などで影を使う方法が上手くいかない場合には有効です。また、メジャーが手元にあれば、面倒な計算をする必要もありません。もしくは、後でメジャーを用意して、簡単な掛け算をするだけで済みます。
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    まず、頭を動かさずに木の全体像(頂点から根元まで)が見える場所まで下がりましょう。可能な限り正確に計測するためには、なるべくみなさんの立っている地点が木の根元がある地点に対して、高くもなく低くもなく、水平であることが大切です。そしてできる限り、みなさんから木までの間の視界を妨げるものがない地点を選びましょう。
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    鉛筆を持って腕を伸ばします。鉛筆の代わりに、マジックペンや定規など、細くて真っ直ぐなものなら何でも構いません。片手に鉛筆を持って、腕をまっすぐ前に伸ばしましょう。鉛筆がみなさんと木の間に来るようにします。
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    片目を閉じて、鉛筆の位置を上下に動かしながら調整します。木の頂点が鉛筆の先端に来るようにしてください。鉛筆の向きは、尖ったほうを上に向けるのが最もやりやすいでしょう。“鉛筆を通して”木を見ながら、視線の先で鉛筆の先端が木の頂点に重なるようにしましょう。
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    親指を上または下に動かして、親指の爪の先端が木の根元と一直線になるようにしましょう。鉛筆の先端を木の頂点に合わせたままで(ステップ3のように)、親指を、木と地面の境目に重なる位置までずらしていきます(繰り返しますが、片目で“鉛筆を通して”覗きます)。
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    腕を内側にひねって鉛筆を真横(地面と平行)にします。腕はまっすぐ同じ距離で伸ばしたままにしましょう。また親指の爪も木の根元に合わせたまま、ずれないように注意してください。
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    友人に“鉛筆の先を通して”見える位置まで移動してもらいます。つまり、友人の足が鉛筆の先端に重なる位置まで来るようにするわけです。友人とみなさんの距離は木とみなさんの距離と大体同じになるようにします。それ以上でもそれ以下でもありません。木の高さにもよりますが、場合によってはかなり友人から距離を取ることもありますから、そんな時は手で(鉛筆を持っていないほうの手で)友人に合図を送って、前に来てもらったり、後ろへ下がってもらったり、または左右に動いてもらうのが良いでしょう。
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    メジャーが手元にある場合は、それを使って友人と木の間の距離を測ります。友人にその場に留まってもらうか、またはその場に棒や石で印をつけておきましょう。そして、メジャーを使ってその地点と木の根元の間の距離を測ります。友人と木の間の距離が、そのまま木の高さになります。
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    メジャーが手元にない場合は、鉛筆に友人の身長と木の高さを記しておきます。親指の爪を置いた位置にキズをつけるか、または印を描きましょう。これはみなさんの視点から見た木の高さを意味しています。木の場合と同様に、鉛筆を友人と重なるように立て、鉛筆の先端が友人の頭に、そして親指の爪が友人の足に来るように調整します。親指を置いた位置に2番目の印を付けましょう。
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    メジャーを用意できれば、すぐに答えを出すことができます。家に帰ってからでも構いませんから、鉛筆に付けた各印の長さと友人の身長を測りましょう。木のある場所まで戻って来る必要はありません。鉛筆の先端から各印までの長さの比率を友人の“実際の”身長に当てはめて計算することになります。例えば、鉛筆の先端から各印までの長さを測定した結果、“鉛筆を通して見た”友人の身長が5cmで木の高さが17.5cmだったとすると、17.5÷5=3.5となり、木の高さは友人の身長の3.5倍ということがわかります。仮に友人の身長が180cmだとすると、180 x 3.5 = 630となり、木の高さは630cm(6.3m)ということになります。
    • 注意:もし木のある場所にいる時にメジャーが手元にある場合は、このような計算をする必要はありません。前述の“メジャーが手元にある場合”の箇所を参照してください
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4の方法4:
クリノメーターまたはトランシットを使う

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    この方法を使えばさらに正確な計測ができます。これまでの方法でも驚くほど正確な値を出すことができるわけですが、もう少し複雑な計算と特殊な器具を使ってさらに正確な測定をしてみましょう。とはいっても、それほど大変な作業ではありません:必要なものは、タンジェントの計算ができる計算機、即席クリノメーターを作るための安いプラスチック製の分度器、ストロー、一本の紐、以上これだけです。クリノメーター(傾斜儀とも)とは対象物の傾斜を測る計測器で、今回はみなさんと木の頂点の間の角度を測るために使用します。トランシット(経緯儀、あるいはセオドライトとも)も同様の目的で使用されるさらに精密な機器で、望遠鏡やレーザーを使ってより精度の高い測定を可能にします。
    • 上記の“紙を使う方法”では、実は三角形の紙をクリノメーターとして使ったわけです。ここでは、より正確な計測をするとともに、紙を木にぴたりと合わせるために行ったり来たりするわけではなく、どんな地点からでも木の高さを正確に測る方法をご説明します。
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    観測地点までの距離を測ります。木に背を向けて立ち、そこから木の根元から水平の高さで、なおかつ木の頂点がはっきり見える地点まで歩いて行きましょう。真っ直ぐに歩き、メジャーを使って木からの距離を測ります。決まった距離にこだわる必要はありませんが、やはり木の高さの1~1.5倍の距離が理想です。
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    木の頂点に対する仰角を測ります。木の頂点に照準を合わせて、クリノメーターまたはトランシットを使って木と地面の間の“仰角”を計測しましょう。仰角とは、みなさん(観察者)を角の頂点として、2本の線が交わる角のことです。一本は地表の水平面、そしてもう一本は特定の高い地点(今回の場合は木の頂点)に対するみなさんの視線となります(※逆に下向きの傾斜の角度は“伏角”と呼ばれます)。
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    仰角のタンジェントを求めましょう。角のタンジェントは計算機を使うか、または三角関数表を使って求めることができます。タンジェントを求める方法は計算機によって異なりますが、通常は“TAN”ボタンを押して、角度を入力し、最後に=ボタンを押せば算出されます。つまり、仰角が60度だとすると、“TAN”ボタンを押して、60を入力し、=ボタンを押すだけで済むということです。
    • オンラインでタンジェント計算ソフトを使うこともできます。
    • 直角三角形の角のタンジェントは、その角の“対辺”をその角の“隣辺”で割ることによって求めることができます。今回の場合、対辺は木の高さで、隣辺は木からみなさんまでの距離ということになります。[3]
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    木からみなさんまでの距離に仰角のタンジェントをかけます。この項の最初に、木に背を向けながら歩いて距離を測ったことを思い出してください。その距離にたった今算出したタンジェントをかけます。算出した数値はみなさんの目線の高さから木の頂点までの高さを表しています。というのも、みなさんは目線の高さからタンジェントを算出したわけです。
    • 上記のタンジェントの定義についての項目をご覧になったみなさんは、なぜこの方法で答えを求めることができるのかすでにお分かりでしょう。つまり、タンジェント=木の高さ÷木までの距離となります。もう少し方程式らしく、タンジェント= X ÷木までの距離、とした方が分かりやすいでしょうか?一次方程式の解き方に従って、両辺に木までの距離をかければ、タンジェント x 木までの距離=X(木の高さ)、となります!
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    上記で算出した高さにみなさんの身長をたしてください。これで木の高さが計測できました。みなさんはクリノメーターまたはトランシットを、地面の高さではなく、目の高さで使用したわけですから、正確な木の高さを求めるには、上記の方程式で算出した値に身長をたす必要があったのです。加えて、なお正確な値を求めるためには、みなさんの身長ではなく、地面からみなさんの目の位置までの高さを測る必要があります。
    • もしみなさんが固定式のトランシットをお使いであれば、みなさんの身長ではなく、地面からトランシットのレンズ部分までの距離をたしましょう。
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ポイント

  • 木は必ずしも真っ直ぐ上に向かって生長するわけではないため、多くの木は直立ではありません。仰角の方法を用いて斜めに伸びた木の高さを計測する場合は、木の根元からではなく、木の頂点の真下からみなさんまでの距離を測るようにすると、より正確な数値を算出できます。
  • 鉛筆を使う方法や仰角の方法を行う際は、木の周辺の複数の地点から計測を行うと、より精度の高い測定ができるでしょう。
  • これは小学4年生から中学1年生の子供にとっては、とても楽しい課外活動になるでしょう。
  • 影を使う方法の精度を上げるには、みなさんの身長よりも、メートル定規のような長さのはっきりしている棒を使うのがおすすめです。
  • 長さの単位は統一しましょう(例えば、メートルはメートル同士で、センチはセンチ同士で割り算・掛け算をしましょう)。
  • シンプルなクリノメーターであれば、分度器を使ってとても簡単に作ることができます。
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注意事項

  • これらの方法は、木が傾斜地に生えている場合はあまり上手くいくとはいえません。専門の測量技師はデジタル式のトランシットなどを使って傾斜地の測量をします。しかしそれらは、一般の人が使うにはあまりに高価な機材です。
  • 仰角を使った方法は、正しく行えば、誤差が60cm~90cmの間で正確な計測ができますが、やはりそこは人がすることですから、様々なミスやブレが起こり、さらに誤差が大きくなるでしょう。特に木が傾いていたり傾斜の上に生えていたりすればなおさらです。どうしても精度の高い計測が必要な時は、お近くの測量事務所やその他の専門家の助けを借りましょう。
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必要なもの

  • 友人(必ずしも必要というわけではありませんが、少しでも手伝ってくれる人がいれば、作業も楽になり、きっと楽しいひと時が過ごせるでしょう)
  • メジャーまたはメートル定規
  • クリノメーターまたはトランシット
  • 計算用紙
  • 鉛筆


このwikiHow記事について

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