他人に対して抱く恨みに向き合い対処する方法

共同執筆者 Paul Chernyak, LPC

誰かに傷つけられ、その相手を恨むようになったことはありませんか?自分よりも能力が高そうな人物を腹立たしい思いで見ていませんか?恨みとは辛く苦しい経験をして、くよくよとずっと考え続けてしまった結果、怒りや苦痛が生じるという精神機能です。徐々に心が蝕まれ、他人だけでなく思いやりや愛情といった感情も信じられなくなってしまいます。恨みを乗り越えるということは、起きたことを受け入れ、相手を許しつつ、この経験が自分に負の影響を与えないよう自分の内面を変えていくということを意味しています。

パート1(全2パート):自分の気持ちを認識する

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    恨みの源と原因を明白にする 感じている気持ちと、なぜそのような気持ちになっているのかを特定しましょう。自分を理解するよう努めましょう。いつ頃からこのような恨みを感じていましたか?特定の出来事(複数・単数問わず)がありましたか?自分のパートナーや配偶者といった個人、あるいは両親や家族といった複数の人物が関わっていますか?
    • 恨みの根底を理解することが克服のきっかけとなります。例えば、身近な人物に失望させられたことが原因であれば、他人に対する期待値を下げるという対処法を試すことができます。他人を変えることはもちろんできないので、自分を変えたり、起きたことを受け入れられるようになることがポイントとなっていきます。
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    自分に起因している要素がないか考える 相手に自分を傷つけることを許した自分に憤っているということもあります。こうした状況を予期することができなかった自分に困惑し、心の奥で恥ずかしく思ってしまっているのです。人間は、警戒を弱め相手を信用した結果傷づけられてしまうと怒りを覚えます。人間の弱さを見せてしまった自分自身に腹が立っているとも言えるでしょう。
    • 「遺恨の念とは毒を飲んでおきながら、それが相手を殺してくれるよう期待するようなものだ」という名言があります。この感情を乗り越えるか、前に進まずに苦しい気持ちに蝕まれていくのかを選択するのは自分自身です。自分の内に秘められた力を認識し、相手ばかりを責めるのはやめましょう。
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    嫉妬や権利意識に起因していないか自問する 他人が持っているものをむやみに欲しがったり手に入れたいと思うと、それが表面的な要素であっても先天的な要素であっても、自分の心に苦しい気持ちが生じます。自分が望んでも手に入らないものを相手が持っているからという理由で憤慨しているのであれば、それは八つ当たりで何も生み出されません。こうした形の恨みを乗り越えるには、手に入らないものもあるという現実と折り合いをつけることが大切です。[1][2]
    • 例えば、自分が狙っていたポストに昇進した同僚に対して怒りがわいてくるという状況を考えてみましょう。もしかしたら自分のほうが勤続年数が長く昇進に相応しいと思っていたのかもしれません。
    • こうした妬みが原因となっている恨みは、自分に正直になり行動を起こすことで解消していきましょう。あなたの憤りの対象は相手ですか、それとも何らかの自分の要素ですか?自分のこれまでの業績は昇進に値するもので再検討されるべきだと強く信じていているのであれば、上司に相談し、今後募集されるポジションなどについても聞いてみましょう。あるいは、この会社ではやりきった、と思っているのであれば、自分に相応しいポジションを他社で探してみるのも良いでしょう。
    • 相手に嫉妬しているのではなく、その人が持っている特徴や能力に嫉妬しているのかもしれません。ゆっくりと自分の気持ちについて考え、嫉妬を自己改善の原動力に変えていきましょう。[3]
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    感情に抗わない 怒りや恨みは非常に強い感情です。ただ、こうした感情に気づかないふりをしたり無理に追いやろうとすると逆効果になることの方が多いということも確かです。恨みは、特定の状況における自分の感情を相手に対する憎しみや悪意で置き換えて逃げようとするから生じるのです。心を癒すにはまず自分の感情を受け入れなければなりません。
    • 怒りが、より複雑な感情を覆い隠す役割を果たしていることもあります。拒絶、落胆、嫉妬、混乱、あるいは心の傷よりも怒りの方が示しやすいのです。
    • 自分の身に起きたことだけでなく、それについてどのように感じているかについても考えてみましょう。怒っているなら、怒りましょう。心の痛みや混乱を認識しましょう。こうした感情を無理に追いやらないようにしましょう。感情を偽らないことが前に進む第一歩です。
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    友人や信頼のおける人に相談する 気兼ねなく話をできる人物に自分の身に起きたことを話してみましょう。自分の気持ちについて声に出して相談することで、状況をより客観的に見られるようになるでしょう。また第三者の視点だからこそ、あなた自身の行動にも原因があることを見抜き、解決策を一緒に考えることもできるかもしれません。
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    相手にどのようなことをされて苦しんでいるのかを書き出す 状況を可能な限り細かく書き出しましょう。覚えている限りのことを書き出すことができたら、あなたを憤らせている相手の特徴を書き出しましょう。単に悪口を書くというわけではありません。自己中心的、失礼、冷酷、あるいは無礼な相手ですか?「無礼」という表現を用いた時は、例えば相手が実際にどのようなことをして、どのような種類の「無礼」にその行動が分類されるのかまで細かく考えてみましょう。[4]
    • 次に、相手の行いによって自分がどのような気持ちになったのかを書き出します。腹が立った、ということだけでなく、その怒りをより掘り下げてみましょう。
    • 最後に、相手の行動とそれに対する自分の気持ちが自分自身の人生にどのような影響を及ぼしているのかを考えて書き出しましょう。例えば、パートナーが浮気をして、あなた自身は怒りや悲しみを抱え、混乱もしていると仮定しましょう。人から傷つけられることを恐れ誰も信用できなくなった、他人に心が開けなくなったという弊害があるかもしれません。
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    自分を苦しめたということを相手に伝える 愛する人から傷つけられると、話を聞いて状況を理解したいと思う気持ちも混ざります。もちろん、なぜ傷つけたのかが分かったからと言って全てをなかったことにすることはできません。相手自身もなぜそのようなことを犯したのか分からないという場合もあります。仮にそうだとしても、起きたことについて率直に話し合えることは大きな前進につながります。[5]
    • 会って話がしたいと相手に伝えましょう。話し合う際は、「(私は)傷ついた」といったように自分(一人称)が主語になるよう話し方を工夫しましょう。起きたことに対する自分の感情を相手を非難せずに伝えることが出来たら、相手の視点から状況を説明してもらいましょう。
    • 状況を客観的に理解することができたら(つまり、あなた自身の責任も認識し自分の感情と向き合うことができたら)初めて相手と対峙しましょう。
    • 今後も相手との付き合いが続くことが想定される場合は、謝罪、場合によっては補償が重要だということを相手に説明しましょう。例えば、あなたのパートナーが軽率な行動をとり、あなたは今後も関係を継続していくことを決めたと仮定しましょう。こうした場合は今後期待する行動の指針を相手に示し、受け入れられる行動と受け入れられない行動の境界線を明確にしましょう。
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パート2(全2パート):自分を恨みから解放する

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    これ以上考えない 起きたことを何度も何度も考えるのはやめましょう。今現在に気持ちを向ける妨げになるだけでなく、自分自身に対して前向きに考えられなくなってしまいます。恨みの基礎ともなります。従って、まず自分の思考を自分で管理できるようになる必要があります。それには下記のような3つの方法があります。[6][7]
    • 問題でなく解決策に考えを集中させましょう。これは健全かつ未来志向の対処法です。起きたことをいつまでもくよくよと考えていても何も変わりません。この状況から学び、成長できるようになりましょう。状況の改善につながる方法(ストレスとの向き合い方を身につける、他人に対する期待値を下げる、など)を書き出してみましょう。
    • 自分の状況分析をもう一度見直してみましょう。時に自分の思い込みで相手に憤りを感じているということもあります。例えば、相手は自分が悪いことをしたということすら気づいていなかったり、仮に気づいていたとしても、傷つけるつもりは全くなかったということもあり得ます。現実的に状況について考えてみましょう。あなたの心を読むことを相手に期待していませんか?
    • 前向きに考えましょう。誰かに傷つけられると、自分を責めて自分の短所ばかり考えてしまうかもしれません。例えば、友人の中の1人に深く落胆させられたのであれば、良好な関係が続いている友人が他にもいる、という事実に目を向けましょう。こうした前向きな側面に目を向けることが、相手の行為を許すことにつながるかもしれません。
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    酷い行いを補填するような、相手の優れた要素を書き出す これは気が進まない作業かもしれませんが、あなたを傷つけた相手の長所を認識することが、前進だけでなく客観的な状況理解につながる場合もあります。人間は誰でも間違いを犯します。その一方で、100%悪い人間もいません。誰にでも特筆すべき長所はあります。こうした要素を探してみましょう。
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    相手を許す 愛する相手からつけられた心の傷はすぐには癒えないかもしれません。ただ、恨みを抱いているままでは傷は癒えず、人間としての自分の成長の妨げにもなります。自分を傷つけた相手を許せるようになりましょう。これは、今後も相手との関係を続けるということを必ずしも意味するわけではありません。もちろん、起きたことを忘れるというわけでもありません。許すとは相手に対して怒りを抱くことをやめ、負の感情を解放するということを意味しています。つまり、許すことがあなたを人間として成長させるのです。[8]
    • 許しには複数の形がありますが、恨みから自分を解放させるということを意味しています。例えば、起きたことに関する自分の気持ちを整理しながら、これからは恨まないということを声に出して言ってみましょう。「あなたのことを許す」と言ってみましょう。相手との関係が今後も続くのであれば、直接本人に伝えましょう。
    • 起きたことを書き出し、その紙を破り捨てたり、火にくべて燃やしてしまいましょう。相手を許すことで、この人物が自分に対して持っていた影響力を取り除き前に進みましょう。
    • 自分をいたわりましょう。相手を許すだけでなく、自分自身も許せるようになりましょう。他人に示す親切を自分にも示しましょう。あなたも許されて良いのです。[9][10]
    • 自分を思いやる言葉を口に出して言いましょう。鏡の前に立ち「愛してるよ」、「私だって人間だもの」、「私はまだ未完成品」あるいは「私には幸せになる価値が十分にある」といった言葉を自分に向かってかけてみましょう。
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    スピリチュアルに理解する スピリチュアルな世界に関心がある人は、自分に起きたことの意味を考えてみましょう。何かを証言するために、このようなことが起きたのでしょうか?この辛い体験が、他の人にとって何らかのきっかけとなったり、他の人を励ます要素になりますか?また、信仰によっては誰かに対して恨みを抱いている状態は精神に有害であると信じられている場合もあります。祈りや瞑想を行ったり、スピリチュアルアドバイザーに相談して、恨みから自分を解放できるようになりましょう。
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    専門家の助けを借りる なかなか許すことも、前に進むこともできずに苦しんでいる人は、メンタルヘルスの専門家の助けを必要としているのかもしれません。怒りや恨みをずっと抱えていると、心、体、そして感情の健康が崩れてしまいます。あるいは、アンガーマネジメントや認知行動療法の手法を取り入れて、考えを切り替えることが必要かもしれません。[11]
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注意事項

  • 復讐を企てないようにしましょう。また、自分が傷つけられたからという理由だけで相手を傷つけようという考えは持たないようにしましょう。悪で悪に打ち勝つことはできません。悪に打ち勝つことができるのは善のみです。痛みや苦しみを執拗に繰り返すような行いは控えましょう。
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このwikiHow記事について

認定カウンセラー
この記事はPaul Chernyak, LPCが共著しています。 ポール・チェルニャクはシカゴに住む認定カウンセラーです。2011年に心理学の専門大学、「American School of Professional Psychology」を卒業しています。
カテゴリ: 友情

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