リンゴの木を種から育てる方法

共同執筆者 Andrew Carberry, MPH

リンゴの木は種から育てることが可能ですが、種を植えた種類のリンゴとは異なる種類のリンゴの木が育つこともあります。[1]例えば、グラニースミスアップルの種を植えても、グラニースミスアップルの木になるとは限りません。同じ系列の違った種類の木が育つかもしれません。いくつかコツを押さえて、種からリンゴの木を育てる成功率を上げましょう。

パート1(全4パート):冬を模擬する

  1. 1
    2種類の種を用意する リンゴの実がなるようにするには、種を2つセットで植える必要があります。リンゴの木は自殖性ではないため、受粉する相手として異なる種類のリンゴの木が必要です。リンゴを食べた後に種を取り出すか、店で種を購入しましょう。自分で用意した種からリンゴの木を育てても、実をつけるとは限らないということ、そして種と同じ種類のリンゴになる保証はないということを覚えておきましょう。住んでいる気候帯に適した種類の種を取り出すか購入しましょう。気候が種類に適していないと、外に植えたときにすぐに枯れてしまいます。[2]
    • リンゴの実が欲しくて木を育てる場合、種から育てるよりも種苗店から苗木を購入した方が良いでしょう。[3]
    • リンゴを種から育てようとする前に、木は矮化されない、つまり完全に成長して9メートルに達するということを頭に入れておきましょう。庭に十分なスペースが確保できることを確認しましょう。また、種から木を育てると実がなるまでに8~10年ほどかかりますが、苗木を移植する方法だとより早く実を付けます。[4]
  2. 2
    種を並べて干す リンゴから種を取り出して、種に付いた果肉を除いたら、並べて干しましょう。こうして、外側の殻の水分がなくなるまで自然乾燥させます。
  3. 3
    種を濡らしたペーパータオルで包む 密封できるビニール袋、蓋つきの瓶、タッパー等にペーパータオルに包んだ種を入れます。容器が何であれ、密封できるということが重要です。[5]
    • ピートモスが手元にある場合は、ペーパータオルの代わりに湿らせたピートモスを使用しても良いでしょう。
  4. 4
    種を冷蔵庫に入れる 種には「追熟」と呼ばれる、低温にさらす期間が必要です。これは冬をシミュレーションしていて、種の成長に欠かせません。この時期に種の根と芽が発育し始めます。冷蔵庫の中に70~80日保存しましょう。種を入れた庫内の温度は4.4~10ºC、理想を言えば4.4 ~ 5ºCに保ちましょう。[6]
    • 冷蔵庫から種を取り出したときに実際の季節とマッチすることができるよう、できればこの工程を冬の間に行いましょう。発芽した種は、最後の霜が降りたあとの春先に植えるのが最適のタイミングです。
  5. 5
    タオルが湿っているか頻繁に確認する 種を冷蔵庫に入れている間、タオルが湿っていることが重要です。毎日チェックしましょう。ただし、種は冷蔵庫に入れている間は発芽しないということを覚えておきましょう。
    広告

パート2(全4パート):発芽した種を植える

  1. 1
    鉢と土を用意する 種は屋外の苗床か鉢に植えます。質の良い土を使用しましょう。リンゴの種はpH値が中性の土で良く育ちます。鉢に土を入れ、発芽した種の大きさ、もしくはその2倍程度の大きさのくぼみを作ります。[7]
    • 肥料は入れなくても構いませんが、実生の成長を促進したい場合は、葉の腐葉土や堆肥を加えても良いでしょう。
  2. 2
    土のくぼみに種を入れる くぼみに種を入れて土を被せ、優しく叩いて固めましょう。そして、すぐに水を与えて種の周りの土を落ち着かせ水分を含ませましょう。[8]
  3. 3
    鉢を室温に保つ 鉢で育てている間は、種と土を室温かそれより少し高い温度に保ちましょう。種は日差しが多く降り注ぐ時間帯の太陽光を必要とするため、日当たりの良い窓辺に置くと良いでしょう。[9]
  4. 4
    苗木の成長を観察する 種を植えてから数週間したら、小さな葉をつけ始めます。こうして、より高く強く成長します。十分強く成長し、霜害の危険性が収まるまで鉢で育てましょう。苗木が鉢に対して成長しすぎているようなら、より大きな鉢に移植して毎日水やりをしましょう。[10]
    広告

パート3(全4パート):苗木を外に植える

  1. 1
    木を植える場所を選ぶ 木を植える場所を決定するのに考慮すべき要素がいくつかあります。太陽光、土そしてスペースです。[11]
    • 太陽光:リンゴの木にはたくさんの太陽光が必要です。具体的には、毎日直射日光が6時間以上必要です。木を植える場所は庭の立地次第でしょう。東向きの傾斜地はとても良い選択と言えますが、北向きの傾斜地でも問題ないでしょう。[12]苗木を植える前に、植える場所の候補を評価しておきましょう。
    • 土:リンゴの木は湿った土壌を嫌います。苗木は水分を保つことができて水はけの良い土がある所に植えましょう。適度に栄養が含まれていて、pH値が相対的に中性に近い方が良いでしょう。
    • スペース:種から木を育てているため、最大6~9メートルにまで成長します。根系が成長できる十分なスペースが確実に確保できる場所を選びましょう。苗木を2本並べて植える場合は、他の木から9メートル以上離して植えましょう。[13]
  2. 2
    移植のタイミングを知る 若木が雑草と間違われたり踏まれたりする心配がないほど大きくなったら、根を切らないように慎重に移植します。一年の中で移植に適した時期は住んでいる場所により異なります。耐寒性区分(北米とメキシコにおいて植物がどの地域まで越冬可能かを示すもので、アメリカ農水省が作成しています。日本でも気象庁のデータを元に耐寒性区分を示す地図があり、住んでいる所の耐寒性区分を知ることができます。)のゾーン8より暖かい場所では秋に植えるのが最適です。それ以外の所に住んでいる場合は、霜が降りる可能性がなくなった春に植えましょう。[14]
  3. 3
    苗木を植える場所から直径1.2mの雑草を抜く 苗木の根系の直径の1、2倍の穴を掘ります。穴の深さは60cm程にしましょう。穴を掘ったら、木の根が土に入り込みやすくなるよう穴の側面の土をほぐしましょう。[15]
  4. 4
    苗木を移植する 木の根を慎重に広げて、掘った穴の中で根が絡まったり一塊にならないようにします。そして、根の周りに土を戻しましょう。根を覆ったら軽く叩いて押し固め、根の周りに空気の層がないようにします。そして掘り起こした土を穴の残りの部分に被せて埋めましょう。[16]
    • 木の周りの土には肥料や熟成していない堆肥を追加してはいけません。肥料で若木の根が焼けることがあります。
  5. 5
    木に水を与えて空気の層をなくす 水を与えた後はマルチを広げて苗木が水分を保てるようにします。リンゴの木のマルチとしては、干し草、藁、オーガニックの広葉樹のチップが最適でしょう。マルチは木の周りの根元に円状に広げましょう。こうすることで、水分が保たれ雑草が生えにくくなり、また水と栄養が雑草に奪われるのを防ぎます。[17]
    広告

パート4(全4パート):木の世話をする

  1. 1
    木に水やりをする 木が小さい(15~20cm)うちは10~12日に1回水やりをしましょう。ただし、木が育ってきたら土が(水浸しではなく)湿っている状態なら水の量を減らしてかまいません。木が大きくなってきたら水やりの回数を減らしますが、夏場は1~2週間に1回水やりをしましょう。[18]
    • それ以外の季節は、非常に乾燥した地域に住んでいない限りは自然の雨で十分でしょう。乾燥地帯では、木を植えて1年間は週に2.5~5cmほどの水を与えるのが理想的です。水を撒くだけではなく、しっかりとしみ込ませましょう。
  2. 2
    害虫を取り除く 鹿の生息地域に住んでいる場合は、若木を鹿から守る必要があります。鹿はリンゴの木の芽を食べるのが大好きで、木の幹を傷つけることもあります。木を育てながら守るには、木の高さほど、そして木を丸く囲えるほどの長さにカットした金網を使用します。金網を支柱に固定し、隙間がないように木を囲います。木が成長して枝や葉が金網に絡まらないように注意して見ておきましょう。
    • 気圧の低い地域では、市販や自家製のスプレーを使用しても効果的でしょう。[19]
    • 鹿がいない地域では、木の根元を背の低い金網で囲ってウサギやネズミを追い払いましょう。
    • 虫にはスプレーをしましょう。果実を病気にさせる虫を処理しなければならないときは、苗木店や園芸店でスプレーを購入して虫を駆除しましょう。
    • リンゴミバエに対処しましょう。日本には生息していませんが、アメリカではリンゴの木にとってリンゴミバエが一番の悩みの種で、日本への侵入が危惧されています。6月に野球ボールほどの大きさの赤いボールを、園芸店で購入できるネバネバした捕虫剤でコーティングして、木の枝に1~2個吊り下げて対処することがあるようです。
  3. 3
    成長したら肥料を与える リンゴの木には毎年春に肥料を与えましょう。最後の雪が解けてから(雪が降る地域では)、木が芽を出す前に肥料を追加します。窒素と酸化物含有量(NPK)が10-10-10のものを使用しましょう。肥料は木の根元に、木を囲うように2.5cmおきに230gずつ撒きましょう。[20]
    • 肥料を追加する前には必ず土の試験を行いましょう。試験の結果次第で、緩効性有機肥料を使用します。窒素が多すぎると植物が育ち過ぎて、果実の実りが悪くなります。
    • 除草剤が含まれた肥料は使用してはいけません。リンゴの木に悪影響を及ぼします。
  4. 4
    若木の剪定は控える  実がなるのが遅れるため、最初の数年は枯れた枝や病気にかかった枝以外は出来るだけ剪定しないでおきましょう。リンゴの木は果実をつけるまで、再生システムの方法として木を大きくします。そのため、実を付け始めるまでは、成長させましょう。[21]
    • 変な位置から芽が出ている場合は、枝にまで成長すると後から剪定する必要があるため、芽のうちに摘み取りましょう。
    • また、剪定により「主幹」を決定することも重要です。縦方向に大きな枝が2本生えている場合は、小さい方または望ましくない方を剪定して木のエネルギーが直接主幹に注がれるようにしましょう。
  5. 5
    木を矯正する 奇妙に聞こえるかもしれませんが、果実を最大限に実らせるために枝を適切な形にする必要があります。幹から35度以下の角度で生えている枝は適切な位置(幹から35度以上の角度がつくように)に矯正します。枝を水平になるくらいに曲げて地面に打った杭や下の枝にひもで結びます。そして、数週間結んだ状態にしておきましょう。
  6. 6
    余分な果実を間引きする 果実がたくさんできるのは木にとって良くありません。余分な果実はその重みで枝が下がり、できる果実の質も下がります。1房につきリンゴ1、2個になるように、そしてリンゴ間の距離が15~20 cm開くように実を間引きしましょう。[22]
  7. 7
    成木は年に1回剪定する  木が実を付け始めてたくさんなるようになったら、年に1回休眠期に剪定しましょう。上方向に元気に伸びている枝(木の上部によく見られます)を切り落とします。また、枯れたり病気にかかっている、また損傷している、もしくは枝や木に向かって伸びている枝、交差している枝も切り落としましょう。[23]
    • 低い位置から生えている枝は切り落としましょう。一般的に、枝は地面から45 cm以上の高さから生えてくるようにすると良いでしょう。
    • 枝の下側からよく生えている弱い小枝も剪定しましょう。
    広告

ポイント

  • 40~60 cmほどの高さになるまでは鉢で木を育てましょう。
  • 苗木は良く育つように、間隔をあけて植えましょう。
  • 木を乾燥した状態にしてはいけません。枯れてしまいます。
  • リンゴの木に詳しく経験豊富な知り合いがいる場合は、質問してみましょう。
  • 近くでリンゴの育て方の基本についての講習会がないかチェックしてみましょう。また、図書館で調べても良いでしょう。
  • 栄養と太陽光を奪い合わなくてすむように、鉢には種を1粒のみ植えましょう。
  • 住んでいる地域の降水量に気を配り、木を大切にしましょう。葉っぱがしおれ始めている状態でしばらく雨が期待できないときは、ホースで水をかけましょう。
広告

注意事項

  • 種から育ったリンゴは、元の種の種類とは違ったものに成長することがあります。1つのリンゴから取りだした種は、それぞれ違った木になります。大学の育種課程では市販できる新しい品種を1つか2つ見つけるのに何千本も木を植えます。
広告

必要なもの

  • 2種類リンゴから取った種
  • 園芸用土
  • 十分な太陽光
  • ペーパータオル
  • 木を植える広い場所
  • マルチ

このwikiHow記事について

フードシステム専門家
この記事はAndrew Carberry, MPHが共著しています。 アンドリュー・カーベリーは2008年よりフードシステム(食物の生産から消費に至る過程)関連の仕事をしています。テネシー大学ノックスビル校にて公衆健康栄養と公衆健康計画・管理の修士号を取得しています。

この記事は役に立ちましたか?

はい
いいえ
広告