ラップの曲を作る方法

ラップソングはあっという間に完成する場合も度々ありますが、実際には制作にあたり、多くの時間と努力を要します。ラップソングには覚えやすいだけでなく、現実味のあるリリック(歌詞)、そして一流のライム(韻)とリズムが必要です。ある意味ラップソングを作るのは、詩を書くことと非常に似ています。ラップソングを作るのに苦戦しているのであれば、これはまさに、あなたのためのウィキハウ記事です。

パート1(全3パート):リリックを書く編集

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    ブレインストーミングする ビートを繰り返し聴きながら色々と連想してみましょう。フリースタイルでリリック(歌詞)を吐き出し、インスピレーションを刺激するのもよいでしょう。文字に起こさずにしばらくこれを続けます。準備が整ったらコンセプト、独自の視点、思い浮かんだリリック候補を全てリストにまとめます。作曲を進めていく過程でこのリストを参考にし、曲の内容に方向性やひらめきを加えていきましょう。[1]
    • アイデアをしばらく温めましょう。バスに乗っている時やエクササイズの最中、スーパーで買い物をしている時などに突然何かがひらめくことがあります。ノートを持ち歩き、その瞬間を捉えましょう。そこからアイデアが広がるかもしれません。
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    フック(サビ)を書く 学期末レポートなら、命題から始めますが、あなたが書いているのはラップです。フックから始めましょう。フックは曲のテーマを表現する必要があるだけでなく、何よりも覚えやすく、独自のものであることが重要です。すぐれたフックはビートや残りのリリックなど、曲の中の他の要素にもインスピレーションを与えます。発想を促さないようなフックで妥協してはいけません。[2]
    • アイデアが浮かばない場合は、既にあるラップソングの中の好きなフレーズを借用したり、答唱します。ただし、あからさまに真似をしてはいけません。法的な問題に巻き込まれるかもしれません。「ドロップ・イット・ライク・イッツ・ホット」は元々ホット・ボーイズが2000年代初期にリリースしたシングルの中に出てくる即席フレーズですが、スヌープ・ドッグは数年後、これを大ヒット曲に変身させました。
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    言葉をつなげる ブレインストームリストの中から自分をかきたてる部分を選び出し、そこから肉付けをしていきます。言うまでもなく、ここであなたの作詞家、そしてライマー(韻文詩人)としての技術が浮き彫りにされます。あなたが経験豊富なラッパーであるなら、その強みを生かしましょう。メタファー(比喩)が得意分野であるなら、メタファーに力を入れ、天性の語り手であるなら、言葉から物語を形にしていきます。
    • 自分自身の邪魔をしてはいけません。はじめて歌詞を書く時に犯しやすい間違いとして、何かを「言おう」とするあまり、抽象的な概念を歌詞に詰め込んでしまうというものがあります。具体的に書きましょう。明確な言葉、 フレーズ、そしてイメージを用いて、自分のアイデアを背景から失わないようにしましょう。
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    真実味を持たせる 「どんなことでもラップにできるさ!」という構えの人もいますが、あなたが郊外住宅地に住む中流階級家庭のティーンエイジャーであるなら、世界を牛耳るコカイン組織についてラップするのは避けた方が賢明です。また、人気のあるラッパーが特定の内容を書いているからといって、それが作品をラップらしくしている訳ではないことも覚えておきましょう。ビースティ・ボーイズは従来ラップにされるテーマではなく、典型的なラッパーのイメージとも異なる、パーティーやスケートボーディングなどについてを、創造的に、そして独自のスタイルでセンス良くラップしています。[3]
    • それでもなお、自分の実際の行動以外のことをラップしたいなら、可能な限り滑稽なものにしましょう。ありえないレベルの大袈裟さで自慢の限りを尽くします。ただし、これはあまり多用したり、真面目な内容の曲に取り入れるのは避け、楽しむ程度にします。創造力を使いましょう。
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    修正に修正を重ねる あなたが世界に通用するラッパーで、頭からインスピレーションが降ってくるたびにそれを曲にできるならともかく、一番初めの下書きが最も優れているとは限りません。ボブ・ディランの名曲「ライク・ア・ローリング・ストーン」の最初の下書きは、20ぺージにも及ぶひどいものでした。作詞を進めていく過程で思い浮かぶことは全て書きとめますが、最終的には効果的で調節が可能な歌詞の量になるまで、それらを削る必要があります。[4]
    • 最も印象的なフレーズに焦点を置き、テーマ、調子、そして物語と一致しないものを全て除外します。使える歌詞と使えない歌詞の見当がつかない場合は、書いてあるものを見ずに、記憶のみを頼りに書き直してみましょう。これは「ろ過」の役目を果たします。印象の薄いささいなことは思いだせないため、かわりに強力な素材で歌詞を埋める必要性が生まれます。
    • 平均的な曲は、それぞれ16~20小節から成り立つ2~3つのヴァース(曲の始まりからフックまでの歌詞)と、可変数のフレーズから成り立つ3~4コーラスで構成されています。これを基準に下書きの歌詞の長さを調整しましょう。
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パート2(全3パート):ビートを選ぶ編集

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    既製のビートを選ぶ 作曲をする時には音楽のジャンルに関係なく、ほぼ必ず歌詞よりも先にメロディーが形になります。同様に、大部分のラッパーもビートを先に制作してその曲をしっかり覚えてから、歌詞を書き始めます。これにより音楽と言葉が調和し、曲が不自然な感じになることを確実に避けられます。大量のライム(韻)をノートに 書き溜めているラッパーは、そこから取り掛かることもありますが、作曲にはそのライムをのせるビートが必要です。
    • ビートを制作しているプロデューサーをオンラインで探し、気に入るものが見つかるまで数種類のビートを聴きます。サムライの効果音や、ウータン・クランのような昔風のコミック漫画関係の音など、特定の響きやスタイルのビートを探しているのであれば、いくつかの見本をプロデューサーに送り、オリジナル音源の制作を委託しましょう。
    • 既に曲のスタイルやテーマに関するアイデアが形になりつつあっても、最終的に決めるまで、少なくとも3つのビートを用意します。内容、言葉、そして音楽を適合させるには複雑なプロセスを辿ります。急がず時間をかけましょう。
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    ビートを自作することも考える ビートはパソコンや音響機器を使えば自作できます。また、ビートボックスしている自分自身の声を録音して使うのも創造的なアイデアです。[5]
    • 好きなR&B(リズム・アンド・ブルース)やソウルミュージックのブレイク(リズムやメロディが一時的に停止する空白部分)をサンプリングすることから始めましょう。ミーターズは、60年代後半に活動していたニューオリンズ出身の比較的無名なファンクバンドでしたが、音源がラップソング用に頻繁にサンプリングされたことで有名になりました。ガレージバンドやパソコンにインストールされたフリーソフトウェアなどを使って、ビートを刻んでみましょう。
    • プログラム可能なドラムマシーンを使ってビートを作ってみましょう。最も象徴的なドラムマシーンとされるローランドTR-808(やおや)は、多くのクラシック・ヒップホップやラップソングに使われています。幅広い種類のバスドラム、ハイハット、ハンドクラップやその他の打楽器音が搭載されており、色々なパターンにプログラムすることが可能です。また作成後、パソコンを使ってこれらのビートを処理し、操作することもできます。
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    ビートの中にメロディを見つける シンセサイザーやキーボードのベース音を使ってメロディーを加えたり、既製の曲からメロディーラインをサンプリングしましょう。メロディーが明確に見えてくるまで、曲を繰り返し聴きます。別の観点からも聴き、メロディーになりえる部分を探しましょう。これはリリックやコーラスの作成を始める過程で、フックを見つける役に立ちます。[6]
    • 無意味な言葉をビートにのせて歌い「曲の仮録音」をして、メロディーを覚える役に立てましょう。曲に声が残るわけではないので、上手に歌う必要はありません。深く考えずに自由に歌い、ハミングし、声を出してビートを研究し、メロディーを見つけ出しましょう。
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    一つに決める前に沢山のビートを聴く ダンスしたくなるノリの良いビートはパーティーラップソングに、そして暗いビートは真面目な、または政治的なテーマを扱うラップソングにつながる傾向があります。それが素晴らしいビートであっても、あなたの作りたい曲に相応しいとは限りません。ビートを聴きながら、それぞれのビートから生まれる可能性のある曲を思い浮かべ、自分の作りたい曲に合うものを選択しましょう。
    • 何度聴いても曲の方向性が見えてこない場合もありますが、それで構いません。直感に従いましょう。ビートがあなたに「語りかけている」なら、それは音楽制作を始める時が到来したということです。
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パート3(全3パート):曲をまとめる編集

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    曲の骨組みを作る 完成曲に使う音源のアイデアが整ったら、ライムをアレンジしてヴァース(1ヴァースにつき16小節を含む)を作りましょう。ヴァースの頭にもってくるライムに関しての決まりごとはありませんが、主張したいことを言い表しているライムで締めるようにしましょう。そうするとヴァースが中途半端に聞こえずにすみます。下記を参照して人気のある曲の構成を理解しましょう。[7]
    • イントロ
    • ヴァース
    • コーラス
    • ヴァース
    • コーラス
    • ヴァース
    • ミドルエイト(別名:ブレイクダウン)
    • コーラス
    • アウトロ
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    ラップをして曲を磨く 決定したビートにのせてラップの練習を繰り返し、ヴァースのバグ修正と調節を行いましょう。可能な限り言葉を削り、その後でもう一度削り直します。ラップは論文ではないことを覚えておきましょう。主張したいこと以外の言葉は一切必要ありません。恐れずに休止(ポーズ)を1、2か所挿入してみましょう。曲にメリハリを出す効果があります。
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    曲を暗記する ビートに合わせてリリックをラップします。全ての呼吸を覚えるまで、そして曲にうんざりするまで繰り返し行いましょう。そこでようやく曲をプロデュースする準備ができたことになります。
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    曲をプロデュースする プロデューサーと組んでレコーディングとマスタリングを完成させるか、もしくは自主制作を行います。
    • SoundCloud(サウンドクラウド)に曲を投稿しましょう。SoundCloudのアカウントを作成し、プロフィールを編集後、曲をアップロードします。ハッシュタグを忘れずに利用しましょう。毎日アクセスして人々の注目を集め、あらゆる人からの全ての質問に返答しましょう。
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ポイント編集

  • 良いリリックが思い浮かばなくても諦めてはいけません。散歩に出たり、音楽を聴いて新鮮な気持に切り替え、再びアイデアに向き合いましょう。
  • 絶対に諦めてはいけません。自分の内面に潜むラッパーを解き放ちましょう。いつかプロのラッパーになれる日がくるかもしれません。
  • 自分自身の経験を反映させましょう。より感情を込めることができるはずです。うわべの姿に合わせただけの一般的なテーマや、誰にでも当てはまる内容をラップするのは避け、自分が過去に味わった痛みや喜びを表現します。あなたが情熱を燃やしていることについてラップしましょう。
  • 他人とは違ったことをしましょう。 自分のスタイルを持ち、個性的であることが成功するための一番の秘訣です。
  • 内面に潜むラッパーに耳を傾け 、自分に合うスタイルを把握します。何を言葉にしたらよいのか分からない場合は、最も重要なポイントである「精神や記憶の枠から抜け出すこと」を思い出しましょう。音を組み立てて、新しい言語を誕生させましょう。自分が尊愛する有名音楽アーティストの曲を集中して聞くと、湧いてくるアイデアに影響を与えてくれるかもしれません。是非試してみましょう。
  • 作曲を始めるためにFL Studio(エフエル スタジオ)を購入する必要はありません。Audacity(オーダシティ)を始め、オーディオ編集のためのフリーソフトウェアは多数あり、それを使えば無料で音楽を作れます。GarageBand(ガレージバンド)がインストールされているマックのコンピューターを持っているなら、細かい設定をせずに簡単に録音できます。また、FL Studio、ループシーケンサー ミュージックジェネレーターなどの低価格版のソフトウェア(アメリカではTightbeatz、Soundclick、Hip Hop Ejayなども使われています)も作曲活動の役に立ちますが、最上のビートを手に入れたいのなら、生バンドの音に限ります。ギター、ベース、ドラム、キーボード、さらにブラス(金管楽器)の演奏をする友人がいるなら、連絡をして協力を得ましょう。
  • リリックを書くために助けが必要であるならオンライン歌詞制作ツール(英語)を使ってみましょう。
  • ドラムのフィルイン(例:コーラスやヴァースの前にドラム音と短いメロディーラインを付け加えて、曲を盛り上げます)を挿入してビートに味を持たせましょう。
  • エミネムを聴いて、とにかく成り行きに任せてみましょう。何ががひらめくかもしれません。
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注意事項編集

  • フリースタイルを上達させ、独自のフロウ(節回し)を開発し、すぐれたリリシズム(叙情詩的な趣や味わい)を完全に理解するまでは、他のラッパーをディスる(否定や侮辱をする)ことはやめましょう。
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