モルモットの妊娠を見分ける方法

共同執筆者 Pippa Elliott, MRCVS

妊娠したモルモットには、妊娠中毒症(代謝不均衡)、異常分娩(難産)、分娩後の異常(低カルシウムによるけいれん等)など、多くの合併症が現れることがあります。[1] 飼っているモルモットの妊娠が疑われる場合には獣医師に相談するのが一番ですが、ここでは自宅でも確認できるいくつかの妊娠の兆候について紹介します。

3の方法1:
妊娠の兆候を自宅で確認する

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    飼っているメスのモルモットがオスと同じ場所にいたかを考える オスとメスが同じ場に居合わせる場合、その2匹は、ほぼ間違いなく交尾をし、メスは妊娠する可能性が高いと言えるでしょう。
    • オスのモルモットは生後3週間で生殖能力を持ち、メスは生後4週間で妊娠できます。そのため、飼っているモルモットがまだ若いからと言って、妊娠しないと思い込まないように注意が必要です。
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    メスの食生活を観察する 妊娠が進むにつれ、飲む量も食べる量も増していきます。通常の3倍の量を食べ尽くすこともあります。それと同時に、水分の摂取量も増えていきます。「通常」というのは、飼っているモルモットが妊娠する以前の日常的に摂取していたエサや水の量のことを意味します。
    • ただし、モルモットのエサや水の摂取量だけで、妊娠していると決め込むことはできません。たとえば、寒い時期や成長期、あるいは特定の病気にかかっているときなど、すべての動物が食事量の増加傾向を示します。[2]
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    メスの体重を量る 妊娠しているメスの体重は著しく増えます。一般的にモルモットの体重は約700g~900gです。[3] 通常だと、妊娠末期までにメスの体重は2倍になり、胎仔の体重は母親の体重の半分以上を占めます。
    • メスのモルモットの体重を定期的(できれば週に1回)に量り、記録をつけておけば、妊娠兆候の体重増加のパターンが確認できるかもしれません。
    • ただし、生後6~8ヶ月未満の未成熟のモルモットの体重増加については、単に成長期というだけで、妊娠の兆候でないこともあります。
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    胎仔を触診する 妊娠しているモルモットのお腹をそっと優しく触ってみると、お腹の中の胎仔を感じることができるかもしれません。通常は、交尾があった後、約2週間もすると、お腹の中にいる胎仔を確認できるようになります。妊娠しているモルモットは慎重に扱い、乱暴に扱うことのないように気を付けましょう。お腹の中の胎仔と母親の両方の安全を守るために、メスの腹部を触るときは、力を入れたり、ギュッと握らないように注意が必要です。[4]
    • 胎仔に触れてみたい人は、硬い表面の上にタオルを敷き、その上にメスのモルモットを置きましょう。これは、モルモットが滑らないようにするためです。モルモットの頭をあなたの逆方向に向け、利き手ではないほうの手を使って、モルモットの肩のあたりを押さえます。次に利き手の親指と人差し指でアルファベットの「C」の形を作り、親指をモルモットのお腹の上部に、そして人差し指をヘソの下部に滑らせます。塊や突起したものが感じられるかどうか、お腹を優しく、そっと押しながら確認してみましょう。
    • モルモットが1回に妊娠する赤ちゃんの数は、多くても3~4 匹程度です。胎仔が複数いる場合は、モルモットの腹部に触れたときに、複数の同じような大きさの突起したものに触れることができるでしょう。
    • モルモットのお腹を触ったときに突起物を感じるのは、妊娠のケースばかりではないということを知っておきましょう。腎臓、膀胱 、糞の塊なども、胎仔と間違えられることが多くあります。突起物が卵巣嚢腫や卵巣腫瘍である可能性も否定できません。妊娠なのか、何かほかに原因があるのかを判断できない場合は、獣医師に相談しましょう。
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3の方法2:
動物病院に連れて行く

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    獣医師の予約をとる 飼っているモルモットに妊娠の疑いがある場合、獣医師に相談するほうが賢明です。知識を持った専門の獣医師が診察するまで、妊娠を断定することはできません。
    • モルモットを運ぶときは、お腹の中の胎仔と母親に害を与えないようにするために、腹部を持ち上げないように注意しなければいけません。おやつ、あるいは好物の野菜や果物を使って、持ち運び用のケージの中に入るように仕向けましょう。
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    健康診断を受ける モルモットの腹部にある塊と突起物の区別、また飼い主が自分一人で効率的にできないことは獣医師の触診に任せてみましょう。モルモットが妊娠しているかどうかは、健康診断にて獣医師が判断できるはずですが、超音波検査のような追加検査を実施したほうが確実になります(以下参照)。[5]
    • 獣医師はモルモットの胎仔の心音を聞くこともできます。[6]
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    超音波検査を実施する 超音波による検査は、モルモットの妊娠診断において、最も信頼性が高い検査方法です。ほかの生き物と違って、血液採取によるストレスは、妊娠中のモルモットの健康状態に悪影響を及ぼすこともあります。それだけでなく、モルモット用の市販の妊娠検査薬も販売されていないのが実情です。[7]
    • 突起物がある場合は、その正体が超音波検査によって明瞭に可視化されるため、妊娠の場合も確認できます。
    • 超音波検査を行うにあたっては、お腹の毛の一部分を刈りとって、毛がなくなった部分にジェルを塗ります。次に、お腹に探触子が当てられ、人間の耳には聞こえない高周波音が出されます。体内にある突起物の大きさや形状、さらには組織や臓器の状態を確認するために、探触子が反響される音波を記録していきます。このようにして集められた情報は画像に変換され、獣医師はその画像に基づいて、モルモットが妊娠しているかどうかを判断するのです。
    • 超音波検査は皮膚の切開を伴わない非侵襲的な方法であるため、モルモットを鎮静させる必要がありません。
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    飼っているモルモットが妊娠している場合は、アドバイスを求める 獣医師によってモルモットの妊娠が認められれば、飼い主は適切な知識を持って、モルモットの世話をしていかなければなりません。妊娠は、モルモットの臓器や体循環システムにストレスを与えます。また、妊娠しているげっ歯類動物の5匹中1匹は、合併症が原因で妊娠中または出産後に死亡すると言われています。[8]
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3の方法3:
妊娠しているモルモットの世話をする

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    獣医師の情報を控えておく 多くの場合は正常に出産しますが、万が一の合併症(高齢や若年、あるいは初産のモルモットに起きやすい)に対応できるよう、獣医師の情報を控えておくことが賢明です。[9]
    • げっ歯類動物や小動物を専門としている獣医師を探してみましょう。
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    オスのモルモットをメスから離す メスのモルモットを複数飼っている場合は、ほかのメスが妊娠しないように、直ちにオスを別の場所に移しましょう。メスを1匹しか飼っていない場合でも、妊娠60日目に達する前に、オスをメスから離したほうが良いでしょう。メスから離したオスのケージは、メスのケージに隣接した場所に用意するのが適切です。メスの姿が見えなくなったり、声が聞こえなくなったオスは、ストレスが生じて病気にかかりやすくなります。
    • オスは妊娠したメスに馬乗りになる行為を止めません。この行為は、 妊娠後期(妊娠50日以降)に入ったメスに、痛みやストレスを与えます。モルモットは出産後たったの2時間で、再び妊娠することもあります。
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    モルモットには、十分なエサや水を与える 十分な量のエサや水、そして栄養のある食べ物を与えることは、胎仔の成長にも欠かせません。
    • メスのモルモットには、タンパク質やカルシウムを多めに摂取させるために、チモシー乾草ではなく、アルファルファ牧草を与えましょう。
    • 妊娠4週間後のモルモットには、約2倍の量のビタミンCを与える必要が出てくるため、ビタミンCを多く含む新鮮な果物や野菜を食事に取り入れましょう。
    • 上記に加えて、食物繊維の摂取量も増やしたほうが良いでしょう。妊娠の最終段階においては、毛が薄くなりやすいので、それを防ぐためにも、食物繊維は多めに与えることが大切になります。
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    妊娠したメスの体重を定期的に量る 1週間に2回はメスの体重を量り、体重が増えてきているか(減ってきていないか)、また全般的に良好な健康状態であるか(エサをすべて食べているか、友好的に行動するかなど)を確認しましょう。
    • 体重が減ってきている、あるいは病気の兆候がある場合は、直ちに獣医師に相談しましょう。
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    モルモットのストレスを最小限に抑える モルモットがストレスを感じると、妊娠に伴って生じる危険性が悪化します。そういったストレスを最小限に抑えるためにも、モルモットには一定の生活習慣を持たせましょう。
    • 妊娠しているモルモットのケージ内に変化を与えないようにしましょう。おもちゃを取り除いたり、新しい場所にケージを移動してはいけません。生活環境を変えてしまうと、ストレスが増加し、食生活にまで影響を及ぼす可能性が出てきます。[10]
    • 大きな物音がする場所、直射日光なども含めた明るい場所に、モルモットをさらすのは避けましょう。
    • 妊娠中および産後2週間ほどは、モルモットをいじったり、運んだりするのは必要最小限にとどめましょう。妊娠期間は一般的に66日~72日間です。[11]
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ポイント

  • 難産とは、母親の産道が十分に広がらず、胎仔がお腹の中から出てくることができない分娩における問題のことを言います。これは、直ちに帝王切開を要する状況です。そのまま放置していると、母親も子供も命を落とすかもしれません。
  • 妊娠中毒症とは、代謝不均衡の結果として生じるもので、モルモットを非常に危険な状態に陥らせます。カルシウムの欠乏も、似たような症状を引き起こしますが、この場合はカルシウムの不均衡が原因であり、子宮への血液供給障害に伴って発生した合併症が原因となる妊娠中毒症とは異なります。妊娠中毒症の場合、拒食、不活発な状態、急激な体重減少などが症状として現れるでしょう。 大至急、獣医師に診せる必要がありますが、良くなる可能性は一般的に非常に低いと言えます。
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注意事項

  • モルモットの繁殖は試みないほうが良いでしょう。妊娠は、メスのモルモットに危険をもたらします。特に生後8ヶ月以上と生後3ヶ月以内、また2歳以上で2回以上出産を経験したモルモットにとっては望ましくありません。[12]
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このwikiHow記事について

この記事はPippa Elliott, MRCVSが共著しています。 獣医であり、Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)のメンバーでもあるエリオット医師は、30年以上にわたり、かかりつけ獣医、そして獣医外科医として獣医療の実践に努めてきました。1987年にグラスゴー大学にて獣医科学と獣医外科学の学位を取得してます。エリオット医師は生まれ故郷の町にある動物診療所に20年以上勤務しています。
カテゴリ: ペット・動物

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