アレルギーを治療する方法

共同執筆者 Chris M. Matsko, MD

アレルギーの症状は、単に不快なものから、深刻な医療緊急事態ものまで様々です。アレルギーとは、実際には害がない物質に対して体が抗体を作ることで引き起こされる状態をいいます(猫のフケやイエダニなど)。このように、免疫システムの過剰な反応により、肌の炎症、鼻水、消化不全、さらに命に関わるような症状が引き起こされて不快を感じます。そこで、アレルギー反応を軽減するために自宅でもできることがいくつかあります。これらの方法を試しても改善が見られないようであれば、医師に受診する必要があるかもしれません。[1]

パート1(全4パート):深刻なアレルギー反応が起きた場合は早急に医療措置を受ける

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    アナフィラキシー・ショックを見分ける アレルゲンに接触してからわずか数分で生じることもあるアナフィラキシー・ショックは、命を脅かす危険のあるアレルギー反応です。症状には次のようなものがあります。[2]
    • 蕁麻疹
    • かゆみ
    • 肌が赤くなる、または青白くなる
    • 喉の閉塞感
    • 舌や喉の腫れ
    • 呼吸困難、ぜえぜえと息を切らす
    • 脈が弱い、または速い
    • 嘔吐
    • 下痢
    • 失神
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    エピペンを携帯している場合は使用する エピペン(エピネフリン自己注射製剤)を携帯しているのであれば、すぐに注射しましょう。パッケージに書かれた使用方法に従いましょう。[3]
    • 太ももの外側から注射液を注入します。副作用が起きる可能性が高くなるため、体の他の部位に注射するのはやめましょう。
    • 注射液の色が変化していたり、固形物が浮いている場合は使用を中止しましょう。
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    自身でエピペンの注射を終えた後でも、医師の診察を受ける アナフィラキー・ショックが起きると、急速に命を脅かす状態になることがあるため、例え症状が改善したとしても緊急外来を受診する必要があります。
    • 症状が再発する恐れもあるため、医師の診察を受けることが必要不可欠です。
    • エピネフリンの注射による副作用には、皮膚症状、失神、不整脈や動悸、嘔吐、麻痺、呼吸困難などが挙げられます。[4]
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パート2(全4パート):問題の根本を探る

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    肌の炎症、吐き気、さらにアナフィラキー・ショックを引き起こす可能性もある、超過敏反応を誘因する一般的なアレルゲン(食物アレルギーであればナッツ類など)について知る アレルゲンの種類により、アレルギー反応が起きた際の症状は異なります。一般的とされるアレルゲンには様々な種類があります。[5][6]
    • 多くの場合、大気中に含まれる物質(花粉、犬や猫に対するアレルギーを引き起こす原因となるペットのふけ、イエダニ、カビなど)が、鼻詰まり、咳やくしゃみなどの症状を引き起こします。
    • ミツバチやスズメバチに刺された場合にも、腫れや痛み、かゆみ、最悪の場合にはアナフィラキー・ショックが起きる可能性があります。
    • ピーナッツやその他のナッツ類、小麦、大豆、魚、甲殻類、卵、牛乳に対してアレルギー反応が起きると、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器不全、さらにアナフィラキー・ショックを起こす場合があります。
    • ペニシリンなどの医薬品の服用時にも、アレルギーにより全身反応(かゆみのある発疹、蕁麻疹、アナフィラキー・ショックなど)が起きることがあります。[7]
    • ラテックスやその他の成分に触れることにより接触部分に引き起こされるアレルギー反応には、発疹、蕁麻疹、かゆみ、水ぶくれ、皮膚の剥離などがあります。
    • 極端な熱さや寒さ、太陽光、皮膚の摩擦などが原因でアレルギー反応のような症状が起きる場合もあります。
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    アレルギー検査を受ける 自分が何に対してアレルギー反応を起こしているのか判断できない場合は、医師によるアレルギー検査を受けてその原因を探りましょう。[8]
    • 皮膚テストまたはプリックテストでは、 原因と疑われるアレルゲンの成分を皮膚の内部につけて、赤みや腫れが出るかどうかその後の反応を見る検査方法です。
    • 血液検査を行うことで、体が特定のアレルゲンに対して免疫反応を起こしているかどうかを判断することができます。
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    除外診断によりアレルギーを特定する この方法は、医師の監視のもとに行う必要があります。[9]
    • 原因と疑われるアレルゲンがある場合は、この食品を食事から除去します。
    • その食品がアレルギーの原因であった場合は、症状は改善されるはずです。
    • 症状が再発するかどうかを調べるために、再度その食品を食べるように医師から指示があるかもしれません。このプロセスにより、アレルギーの原因を確実に特定することができます。
    • このプロセスを通じて食事内容を記録した日記をつけることで症状の有無を観察し、その他の疑わしいアレルゲンをさらに特定していきましょう。
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パート3(全4パート):季節性アレルギーを治療する

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    自然療法を試してみる サプリメントや漢方薬などを摂取する前に必ず医師に相談しましょう。特に、服用中の医薬品がある場合や何らかの疾患を持っている場合は、サプリの併用が安全かつ適切であるかどうかを確かめる必要があります。また、薬草療法の摂取量がきちんと管理されることは少ないため、実際にどれくらいの量を摂取しているのかが判断しにくいという側面もあります。「自然」という言葉は、必ずしも「安全」を意味するわけではないということを覚えておきましょう。
    • フキエキスの錠剤を飲んでみましょう。フキエキスの成分は炎症を軽減し、抗ヒスタミン剤と類似した効果をもたらすことが科学的な見地から紹介されています。ブロメラインと呼ばれる酵素にもまた、抗炎症作用があると言われています。[10]
    • さらに、ユーカリオイルを数滴垂らしたお湯から湯気を吸い込んでみましょう。このオイルから発せられる鋭い匂いにより、鼻腔がスッキリした感覚を得られます。ただし、ユーカリオイルには毒性の作用もあるため、経口摂取したり肌に塗ったりしてはいけません。[11]
    • 鼻洗浄用の生理食塩水スプレーで鼻詰まりを緩和しましょう。このスプレーは、炎症を軽減したり鼻水を止めるのに役立ちます。[12]
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    経口抗ヒスタミン薬を服用して一般的な症状を緩和する 抗ヒスタミン剤を使用することで、鼻水、目のかゆみ、涙目、蕁麻疹や腫れなどの症状を抑えることができます。抗ヒスタミン剤の中には服用時に眠気が生じるものもあるので、車の運転は控えましょう。よく知られる抗ヒスタミン剤には次のようなものがあります。[13]
    • セチリジン塩酸塩(ジルテック)
    • デスロラタジン(デザレックス)
    • フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ)
    • レボセチリジン塩酸塩(ザイザル)
    • ロラタジン(クラリチン)
    • ジフェンヒドラミン(ドリエル)
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    抗ヒスタミン点鼻薬を試してみる このタイプの点鼻薬には、くしゃみや鼻詰まり、後鼻漏、鼻腔のかゆみや鼻水などの症状を緩和する効果があります。処方薬には以下のようなものがあります。[14]
    • ザジテンAL鼻炎スプレー
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    抗ヒスタミン目薬を使って、目のかゆみ、赤みや腫れを抑える しみるのを避けるために冷蔵庫で保管します。[15]
    • エピナスチン塩酸塩(アレジオン)
    • パタノール(オロパタジン製剤 )
    • リボスチン(レボカバスチン塩酸塩)
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    抗ヒスタミン剤の代用品として肥満細胞安定化薬を使用しましょう。抗ヒスタミン剤が体に合わない場合は、この薬剤で代用すると良いかもしれません。この薬剤には、アレルギー反応を起こす化学物質が体内で放出されるのを抑制する作用があります。
    • クロモリンという処方薬は、点眼液や点鼻液として使用します。
    • 処方薬点眼液にはクロモグリク酸ナトリウム(クロモリン)、ロドキサミド、ペミロラストカリウム(ペミリドン点眼液)、ネドクロミル(日本未発売)などがあります。
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    経口鼻炎薬を服用して鼻腔の詰まりを緩和する このタイプは、様々な種類の市販薬があります。中には抗ヒスタミン成分を含むものもあります。[16]
    • セチリジンとプソイドエフェドリン(ジルテック)
    • デスロラタジンとプソイドエフェドリン (デザレックス)
    • フェキソフェナジンとプソイドエフェドリン(アレグラ)
    • ロラタジンとプソイドエフェドリン(クラリチンなど)
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    できるだけ早く効果を得たい場合は、鼻スプレーや点鼻薬を使う ただし、3日以上継続的に使用するのは控えましょう。鼻詰まりの症状が悪化する恐れがあります。[17]
    • オキシメタゾリン塩酸塩(ナシビンMスプレー)
    • テトラヒドロゾリン(ミナト)
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    鼻噴霧用ステロイド薬を使用して炎症を抑える この薬剤には、鼻詰まりやくしゃみ、鼻水を抑える効果があります。[18]
    • ブデソニド(日本未発売)
    • フルチカゾンフランカルボン酸エステル(アラミスト)
    • フルチカゾンフランカルボン酸エステル(杏林)
    • モメタゾン(ナゾネックス)
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    他の薬剤から効果を得られなければステロイド点眼薬を試してみる ステロイド点眼薬を使用することで、目のかゆみや赤み、涙目を改善することができます。ただし、このステロイド製の薬剤を使用することにより、白内障や緑内障、目の感染症、その他の問題が引き起こされる可能性が高くなる恐れもあるため、医師が患者の状態を注意深く監視する必要があります。[19]
    • フルオロメソロン(フルオロメトロン点眼液)
    • ロテプレドノール(日本未承認)
    • プレドニゾロン酢酸エステル(PSゾロン点眼液)
    • リメキソロン(日本未承認)
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    重度のアレルギーの症状が見られる場合は経口ステロイド剤で治療にあたる ただし、このタイプの薬剤は深刻な副作用をもたらすこともあるため、あまり長期にわたり使用するのは避けましょう。副作用として考えられるものには、白内障、骨粗鬆症、筋力の低下、潰瘍、高血糖症、小児の成長の遅れ、高血圧の悪化などがあります。[20]
    • プレドニゾロン(プレドニン、メドロール)
    • プレドニゾン(日本未承認)
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    ロイコトリエン受容体拮抗薬を試してみる この薬剤は、体がアレルギー反応を起こす際に放出されるロイコトリエンの作用を抑える働きをします。この薬剤を服用すると炎症を緩和することができます。
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    脱感作療法を試してみる 免疫療法とも呼ばれるこの療法は、薬剤による治療が上手くいかず、アレルゲンとの接触を完全に避けることができない場合に勧められるものです。[21]
    • アレルゲンをほんの少しずつ体内に入れることで、過敏性を減らしていくという方法です。アレルゲンの投与量は毎回少しずつ増えていき、最終的に免疫寛容へ誘導していきます。
    • アレルゲンの投与は、通常は注射によって行われますが、アレルゲンが草やブタクサである場合には舌の下側で溶けるタイプの錠剤で投与される場合もあります。
    • この処置は医師の監督の元に実施される必要があります。また、数年の治療期間を要する場合もあります。[22]
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パート4(全4パート):アレルゲンとの接触を減らす

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    自宅におけるアレルゲンの蓄積を防止する 自宅の室内の空気中に浮遊する様々な物質の中には、アレルギー反応を引き起こすものがあります。例えば、ペットのふけ、イエダニ、屋外から飛んできた花粉などが例として挙げられます。
    • 掃除機を頻繁にかけましょう。HEPAフィルターが搭載された掃除機を使用すれば、空気中のアレルゲンを除去することができます。
    • 自宅でのカーペットの使用を最小限に減らしましょう。普通の床に比べて、カーペットにはアレルゲンやペットのふけなどが溜まりやすいため、屋内のアレルゲン除去の妨げとなります。
    • 布団や布団カバーを定期的に洗う 私達は1日の3分の1をベッドで過ごします。シーツや枕にアレルゲンが付着していたら、自分に与えられた時間の3分の1は、これらのアレルゲンを吸い込みながら過ごしていることになります。マットレスにはビニール製のカバーを装着して、アレルゲンが寝具に定着してしまうのを防ぎましょう。
    • 夜寝る前に髪を洗って、付着している可能性のある花粉をすべて落としましょう。
    • 特定の植物の花粉に対してアレルギーがある場合は、その植物の花粉が多く空気中に飛散している季節にはできるだけ自宅から出ないようにします。花粉が外から入ってこないように、窓はしっかりと閉めておきましょう。
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    カビの繁殖を防ぐ この点に注意することで、空気中の胞子の量を減らすことができます。
    • 洗面所など湿度の高い部屋には、扇風機や除湿機を置きましょう。
    • 水漏れを徹底的に排除する 水切れの悪い蛇口などの小さなものから、雨漏りする屋根などの大きな問題まで、すべて修理するよう努力しましょう。
    • カビを見つけたら、カビ取り剤や漂白剤と水を使って完全に除去しましょう。
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    アレルギー反応の出る食物は食べないようにする 一般的に料理によく使われる卵や小麦などの食品にアレルギーがある場合は、市販の食品の原材料名を慎重に読む必要があります。
    • 食物アレルギーが多数ある場合は、名刺に自分のアレルギーの内容を印刷して、レストランなどで外食する際に店員に渡すようにしましょう。アレルゲン食品が店で出される食事に含まれないように、店員がシェフに確認してくれるはずです。
    • 必要な場合は、自分で用意した食事を持参しましょう。自分の作ったものなら、内容物を把握しているので安心して食べることができます。
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    自宅や自宅周辺にあるミツバチやスズメバチの巣を業者に撤去してもらう ハチに重度のアレルギーがある場合は、撤去作業中は離れた場所へ避難しましょう。
    • 数年ごとにハチの巣の撤去作業を行う必要があるかもしれません。
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ポイント

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注意事項

  • 医薬品を服用する際には製造元によりパッケージに記載された注意点をよく読むか医師に相談して、車の運転が可能かどうかを確認しておきましょう。
  • 医薬品の服用時にはアルコールの摂取は控えましょう。
  • 妊娠中の女性、または子供の場合は、医薬品を服用する前に医師に安全性を確認しましょう。
  • 他の医薬品を服用している場合は、薬の併用が適切かどうか医師に確認しましょう。漢方薬やサプリメントを摂取した際にも、薬理相互作用が生じる場合があります。
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このwikiHow記事について

家庭医(かかりつけ医)
この記事はChris M. Matsko, MDが共著しています。 クリス・M・マツコ医師はペンシルバニア州在住の内科医です。マツコ医師は2007年にテンプル大学医学部から医学博士号を授与されています。

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